タイのブランド「ウィシャラウィッシュ(WISHARAWISH)」が再びランウェイショーを東京で開催。2019年3月に続き、2019年10月18日(金)に2020年春夏コレクションを発表した。
テーマは、社会というフレームの中でも、個人の自由な発想に対して皆が尊敬していける世界と表現する「Post-Wore Delicacies」。また、タイの伝統や文化を発信したいとの思いから、テキスタイルは12人のタイの職人とコラボレーションして仕上げたものだ。内8割は一から作り上げたオリジナルのファブリックだという。
シルクの名産地タイ・スリン県の光沢感のあるシルクや、上糸・下糸で色を変えて織った高級なコットン、ろうけつ染めで作られたパテック、木の彫刻とロウを使って染め上げるインディゴ地など、クラフトマンシップを感じられるこだわりの素材が並ぶ。
印象的に差し込まれた菊の花やシダ植物の柄を落とし込んだファブリックは、女性職人がハンドペイントで仕上げたものだ。黒や白、灰、茶など落ち着きのあるカラーを選んで、ラグジュアリーなムードを纏わせた。
「美しいテキスタイルが出来上がったので、その美しさを全面に出したい」と願って作り出したのは、ベーシックなスタイル。男性は、ジャケットとスラックスを基本スタイルとし、女性は1枚布で仕上げたドレスが主流だ。
メンズのジャケットはボクシーなシルエットに整えられ、身幅は広く、肩周りも大きい。ビッグサイズに仕上げることでテキスタイルの色柄は、より印象的に観客のもとへ届けられる。
シングルジャケット、ダブルジャケットといったスタンダードなデザインとならんで、ボディを途中で断ち切ったようなクロップド丈や、コートのように羽織れるロング丈、くるみボタンやフラップポケットでデザインアクセントを効かせたものもある。
ボトムスはショートパンツやレギンス、前にスリットを入れたスラックスなど、遊びを効かせたものが多く選ばれた。
ウィメンズは男性と比較すると、自由で開放感のあるスタイルだ。背中を大きくV字にカットしたロングドレスや、タイトなIラインドレス、またミニ丈のベアドレスやキャミソールドレスなど、様々なシルエットでドレスが展開された。
スタイルに個性をもたらしたのは、個性豊かな小物たちだ。顔を覆うようにつばの伸びたボンネットや、たすき掛けしたビーズアクセサリー、布地で仕上げたスリッパシューズなどがコーディネートされている。