アンダーカバー(UNDERCOVER)の2020年春夏ウィメンズコレクションが発表された。
今季は、アンダーカバー流のエレガンスをテーマにした2020年春夏メンズコレクションと連動した要素を多く含むシーズン。オーセンティックなアイテムに、緻密な技法やクラフトマンシップを活かしたディテールを加えることで、予定調和的なデザインにツイストを加えている。また、アメリカの写真家シンディ・シャーマン(Cindy Sherman)のアートワークを用いたモチーフも、メンズと同様に採用した。
たとえばジャケットには、シンディ・シャーマンが撮影したポートレート「アンタイトルド・フィルム・スティル(Untitled film stills)」を、プリントではなく、デニム風のジャカード織りで落とし込んだ。顔の見えない女性像を異素材のパッチワークで表現したものや、蜘蛛の巣をプリーツであしらったものもある。
アイロニカルなダークファンタジーの世界を描く、アメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーによるイラスト「ドラキュラ(Dracula)」を散りばめたジャケットやセットアップも、モチーフ1つ1つにスパンコールを刺繍して。いずれもモチーフの使い方はアンダーカバーらしいダイナミックなものだが、その表現手法は繊細な技術や手仕事の光るものだ。
スタイリングで目を惹くのは、カラフルなブラトップを全てのルックに差し込んでいる点。漆黒の世界を繰り広げたメンズコレクションとは対照的に、レッドやブルー、オレンジ、グリーンなどヴィヴィッドな色彩のブラトップを1つ、あるいは2つ束ねるようにしてプラスして、ポップなアクセントを加えている。