ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、2020年1月11日(土)に発表された。
テーマは「アーティスティック クラフツマンシップ(Artistic Craftsmanship)」。デジタルが蔓延する時代において、改めて文化や伝統、人々が培ってきた経験からなる遺産=クラフツマンシップに着目。ショー会場のエントランスには、お針子さんたちが揃い、ニットを編んだり、工芸品を手作業で仕上げたりと、職人技術を体験できる演出が施された。
クラフツマンシップへのフォーカスは、ショーそのものでも取り上げられる。サルトリアの技術光るスーツスタイルに交えて登場するのは、職人たちを想起させるワークスタイルだ。テーラー、羊飼い、花売り、ニット職人、パスタ職人、陶芸家…職人たちがランウェイに足を踏み入れ、上質なレザーで仕立てたエプロンやワークパンツなど作業着のようなスタイルで登場している。
メッセージ性をもってテーマを伝えている、クラフツマンシップロゴのニットや、ハンドクラフトロゴのスポーティーなウェアも展開される。
職人技が光るピースとして、象徴的に取り上げられていたのは手編み風のニット。このコレクションの主役ともいうべき存在感だ。ウールの優しい風合いを生かしたニットトップスやロングマフラー、ガウン風コートなど、シチリアからインスパイアされたグレー、ミルクホワイト、ブラウンなど、自然由来のカラーで染め上げられている。
中には、繊細な模様が編み込まれものや、キラキラと光る糸を間に差し込んだものなど、デザイン性に富んだものもある。
ニット特有の豊かな包容力とボリューム感を引き立てるように、ボトムスはジョッパーパンツやタイトフィットなクロップドパンツを選んでコンパクトにまとめ、ブーツインしてすっきりと着こなしている。
また、レザーへのこだわりも印象的だ。レザーのハードさを打ち消すように、手間暇かけて加工した革は、シャツのような軽やかさがある。薄く軽快な表情に仕上げたレザーは、シャツやパンツとなり、肌着のように優しくボディを包み込んでいる。
今季はアクセサリーも充実。手ぶらで出歩けるようなウェアラブルなアクセサリーが、バリエーション豊富に揃っていた。小物ケースのようなブレスレットや、ミニポーチがたくさんついたベルト、ベストのように纏うミニポーチ&チェーンなど、気軽に纏えるユニークアクセサリーがラインナップしている。