エトロ(ETRO)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、イタリア・ミラノで2020年1月12日(日)に発表された。アンティーク調の絵画が壁一面にぎっしり。先人たちへ捧げるコレクションとされる今季は、かつての英雄たちの絵画を前に披露される。
ヘリンボーンのロングコートや、チェック柄のダブルブレストスーツ、ストライプ模様のテーラードジャケットなど、オーセンティックなピースを揃えて、伝統的なサルトリアをベースに据えた。ブーツインした足元が軽快な雰囲気を演出する。
ただベーシックをなぞるのではなく、エキゾチックなひねりを加えているのが今季のムード。古代のブランケットをイメージしたジャカードや、貴族の紋章をほどこしたスリッパが、時を超えて現代へとつながり、脳裏に焼き付きつくような個性を引き寄せていく。
また、カーペット調のディテールもコレクション全体に温もりをもたらしてくれる。ハードになりがちなレザージャケットも、カーペットのような厚みのあるテキスタイルとドッキングすることで柔らかく仕上がっている。
アイコニックなペイズリーは、ジャカードニットやベルベットコート、シルクシャツなどのテキスタイルに自然になじませ、静かにエトロの歴史を語っている。
象徴的に取り入れられたのは、ペガサスのアイコンだ。ウエストマークしたベルトしかり、優雅なシルクプリントのシャツ、色あせたようなカモフラージュ柄のコートに登場させた。
また同時に、肩から背中までぐるりと包み込んだ大ぶりなストールや、首元にさらりと巻いたスカーフが、紳士の装いにロマンティックなアクセントをもたらしている。
フィナーレは、ダブルブレストのコーデュロイスーツを色とりどりに揃えて。とさまざまな色彩が連続的に登場するさまは美しく、ランウェイには虹のようにカラーの橋がかかっていた。