ニール バレット(Neil Barrett)の2020-21年秋冬コレクションが、2020年1月11日(土)にイタリア・ミラノで発表された。テーマは「アンタイトル(UNTITLED)」。
今季のニール バレットは、英国仕込みのトラディショナルなスタイルを基軸に、ハンドメイドのエッセンスを取り入れて、カスタマイズを楽しんでいる。すでに完成したプロダクトの中に、ハンドメイドの美点をぎゅっと落し込んだような不均衡さもあり、そのアンバランスさが心地よく感じる。
例えば、序盤に登場したウールコートは、無駄のないすっきりとしたシルエット、落ち着きのあるカラー、こだわりのファブリックなど、装飾を施さなくても完成形のように感じる。しかしながら、細かなところに手仕事を感じさせるディテールを施すことで、ウールコートそのものをアイコニックなピースへと昇華させる。
ラペルに沿わせたジップは、隣のジップにコネクトさせれば変形できるのだろうか。袖口に配したレザーは、アクセサリーのような光沢感を放つだけでなく、硬質な質感でより肌にフィットし、外気からボディを守ってくれるのだろうか…。
チェスターコートの袖口のリブ、ボアコートの肩周りのレザーパッチ、ハーフトレンチの袖口のレザーなど、“異質なディテール”一つひとつに、想像力を搔き立てられるアイデアが落とし込まれているのかと観客を魅了するのだ。
また、シルエットは、繊細な手仕事によって、Aラインのように軽やかに広がったフォルムに整えられていた。テーラードジャケットは、サイドベンツでふわりと両サイドにゆとりをもたせ、2000年秋冬のアーカイブからヒントを得たパフィーなダウンジャケットも身体から離れた末広がりなシルエットを築いている。
ふわっと広がった上半身を強調させるように、ボトムスはコンパクト。クロップドパンツやアンクルパンツが多用されすっきりとまとめている。
一方、足元はボリューミーで、モカシンやデザートブーツも、纏うだけで存在感のあるユニークなデザインとなっている。ソールは、中国のアスレチックブランドLi-Ningとのコラボレーションによるインパクト抜群なデザインだ。