合理化を推し進めた方針をとり、モダニズム建築の先駆けにもなったバウハウスムーヴメント。ニール バレット(Neil Barrett)2013-14年秋冬メンズコレクションは、20世紀前半にドイツで起こったこのミニマリズムにインスパイアされ、構造、生地の風合い、精密さを追求した。
一切の装飾をなくし、異素材の切り換えや縫い目、カッティングのみでデザイン性を付け加えたフォルムや、ボタン、ジップ、ベルクロにいたるまで、留め具はすべて隠されているといったこだわりには、バウハウスの強い影響が見て取れる。
やや大きめのトップスにタイトなボトムを合わせるスタイルは、他の多くのブランドも打ち出す、今季らしいバランス。ドロップショルダーのコートは、肩からアームにかけてのラインがゆるやかな曲線を描き、独自のシルエットに。さらに、内側にあしらわれたベルトを身体に沿わせることで、インナーのラインを強調し、コートのサイズ感をより浮出たせた。
ブラック、ホワイト、チャコールといったベーシックなカラーが中心となる中で、深く美しいブルーのグラデーションが際立っている。異なる色調のブルーと、様々な素材を組み合わせて作られるブルゾン、ジャケット、ライダース。起毛感のあるポニースキン、ベルベット、モヘアという素材は、表情に変化を加える役割を果たし、アイテムに新鮮さを与えている。メタリックなトゥキャップをあしらったシューズを合わせ、シンプルでありながらも精巧さ・美しさを備えた男性像を表現した。