100年以上愛されているラグジュアリーシューズブランド、ジェイエムウエストン(J.M. WESTON)。永遠のフレンチアイコン「180 シグニチャーローファー」や、Uチップシューズの名作「641 ゴルフ」は、多くのファンから支持を得る名品だ。
この記事ではジェイエムウエストンの歴史を紐解きながら、人気定番シューズ「180 シグニチャーローファー」と「641 ゴルフ」の魅力に迫る。
ジェイエムウエストンは、フランスで1891年に創業し、100年以上の歴史を持つ老舗シューズブランド。今もなお創業の地フランス・リモージュにある工場に在籍する職人たちによる、グッドイヤーウェルト製法を受け継いだ伝統的な技法によって、シューズが生産されている。良くなめされた、丈夫でしなやかな革質も人気の理由だ。
高級紳士靴の代名詞として世界中で幅広く支持されてきたが、レディースシューズも人気。「180 シグニチャーローファー」や「641 ゴルフ」、「690 ヨット」などのアイコニックなレザーシューズだけでなく、ブーツやスニーカー、レザーグッズなども手がけている。
1891年、エドゥアール・ブランシェールが、革なめしと革加工の歴史が深いフランス・リモージュ地方に男性・女性用靴の工場を設立。1904年には、アメリカで用いられていた近代的な靴の製法に注目した息子ユージェーヌが渡米し、マサチューセッツ州ボストン近郊のウエストンでグッドイヤーウェルト製法を習得することで、ブランド成長の礎を築いた。
1922年、クルセル大通りにパリ1号店をオープンし、「ジェイエムウエストン」がスタート。1932年にパリ・シャンゼリゼ通りに2号店を開業すると、当時の名士たちがローファーやダービーシューズなどをこぞって買い求めた。
1946年には、ブランドの代名詞であり、後にフレンチエレガンスの象徴となる「180 シグニチャーローファー」が誕生。1962年、シャンゼリゼ大通りのドラッグストアにたむろする「ドラッグストアのギャング(Bande du Drugstore)」と呼ばれる若者たちがジェイエムウエストンのローファーを履くようになる。
父親の靴をジーンズに合わせて素足で履くスタイルは、彼らの既存の秩序に対する反抗を表現したものであったが、やがてこのスタイルが時代を超えて愛されるようになり、永遠のフレンチアイコンとなる。
1986年にジェイエムウエストン初となる海外ブティックをアメリカ・ニューヨークにオープンすると、それを皮切りにジュネーブ、東京、香港へと進出。現在では全世界に51店舗を構える。
1994年にはジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャックとコラボレーションしたカラフルな「180 シグニチャーローファー」を発売。以降、メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)、チャーリー ケイスリー・ヘイフォード、小説家ディディエ・ヴァン・コーヴラール、映画監督セドリック・クラピッシュなどとタッグを組み、メゾンの伝統的なシューズにアーティスト独自の解釈を加えたユニークなコレクションを発表し続けている。