N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)の2013年秋冬コレクションは、女性初の単独大西洋横断に成功したアメリカの飛行士、アメリア・イアハートと彼女に飛行技術を伝授し、最大限のサポートをし続けた男性陣へオマージュを捧げる。
操縦、整備、またビジネスとして協力した彼らのスタイルが、20年代をメインとする時代背景と共にデザインに落とし込まれている。雨、風、寒さから体を守るフライトキャップやフライトジャケットといった飛行士の象徴的なアイテムは、品の良いウールのパンツとコーディネートしてタウン使用に、そしてジャンプスーツは、同色のロングコートにタイを合わせてそれぞれ格上げ。アメリアがこよなく愛した、シャツにスカーフというスタイリングも登場した。
フライトウェアは安全性を最重視。絞り紐やジッパーをつけたズボンの裾からは、細部に至るまで動きやすくアクティブであることを追及した姿勢を感じる。そして飛行機が国民の憧れだった時代の象徴としての飛行機モチーフは、ベースと同系の色でさりげなくプリントしたり、コミカルなタッチでニットに施したりと、遊び心たっぷりに随所にちりばめられた。また、シャツやベルトに用いたギンガムチェックもプレイフルな印象。
今季のキーカラーはパープル。デザイナーの尾花は、アメリアが立ち上げた初の女性飛行部隊のパープルのユニフォームをミュージアムで観て感銘を受けたのだという。終盤では、そのパープルをふんだんに使ったルックが登場し、プラム、バイオレットなど豊かなバリエーションで魅せた。