カラー(kolor) 2021年春夏ウィメンズコレクションが発表された。
今季カラーは、ブランドのフラグシップショップを青山にオープンしてからまだ間もない、2011年へとプレイバック。当時の土臭さを残しながら、ボリュームや異素材のドッキングで現代へとアップデートした、女性のためのワードローブを展開する。
思いがけない異素材の組合せ。カラーが得意とするそのアプローチは、今シーズン豊富に展開されたアウター群から特によく見て取れた。例えばクラシカルなチェック柄のロングコートには、片側にベスト、もう片側にニットカーディガンをドッキングさせたユニークな表情が印象的。さらに両手を広げると、片方の腕だけニットベストの一部がアームとなっている構造が浮彫になるなど、身体の動きに合わせて洋服の複雑性が増していくのが面白い。
見る角度によって、全く異なる表情を見せてくれるアウターも登場。しっとりとした上品なブラウンのジャケットは、後ろを振り返ると、スポーティーなムードのピースと切り替えを行っている。また生地の切り替えと同時に、その丈も大胆にカットしたことで、より意外性を高めた、アイキャッチなルックへと導いているのだ。
定番のレイヤードスタイルには、大人の遊び心溢れるアレンジで一捻り。きれいめのショートジャケットには、なんとキッズサイズのポップなカーディガンを上から重ねた。しかしながらサイズの異なるアイテムを合わせることで、逆説的にキュッと締まった自然なVラインを演出。“ちぐはぐ”なアイテム同士で、若干の違和感を与えながらも、バランスを徹底的に計算したカラーのこだわりを伺うことができる。
コレクションに登場したボトムスは、“床すれすれ”になるほどのロング丈が主流となっている点も今季の特徴といえるだろう。白の半袖シャツに合わせられたのは、裾にチュールを重ねることで、ボリューミーなフォルムへと導いたロングスカート。またジャケットやカットソーと共に登場したパンツは、地面に向けてゆったりと広がるフレアシルエットに仕上がっている。
カラーパレットは、ベーシックな彩りの中に、赤やブルー、グリーンといったパキッとした色彩を差し込んで。また本来は見えるはずのないライナーにもポップなカラーを添えるなど、ディテールにまでカラーらしいこだわりが詰め込まれている。