ファクトタム(FACTOTUM) 2013-14年秋冬コレクションが2013年3月19日(火)に発表された。テーマは"Do Try(やってみよう)"。来シーズンで10周年を迎えるファクトタム。「ちょうど10年を迎えるにあたって、今後デザイナーとして長くやっていこうという意味でも"Do Try"がテーマとなった。今やっていることを続けるのも大切だ、というメッセージもこめられています」とデザイナーの有働幸司は話す。
今季は、"FACTOTUM"という小説を書いた米国人作家チャールズ・ブコウスキー(Charles Bukowski)の自伝的小説『ポスト・オフィス(Post Office)』 にインスパイアされ、全体的なルックもポストマンのワークスタイルをモダンに仕上げた。いかにもポストマン風のブルゾンにも、スタイリッシュなトリミングやポケットを配し、細身のパンツやアイウェアと合わせて洗練したスタイリングで魅せている。モデル達の手には、手紙や小包が握られているという小粋な演出がなされ、肩からは配達人風のななめかけのバッグをかけている。
随所に配された鳥のモチーフはUS MAILの鷹のシンボルから。その鷹をベースに、迷彩柄に見えるようしたり、鳥のラインを象ってキルティングにしたりとアレンジを加わえた。テーマカラーのポストマンらしい赤や黄色は、シャツの下に仕込んだタートルや、パンツのサイドラインなどに採用して効かせた。
「仕事は生きる上でのキーワードだと思うし、もともと洋服にワークスタイル、デニムスタイルが入っていて、そこが一番自分が伝えたいこと」。モデル全員をポストマンの制服を思わせる凛としたスタイルで登場させたフィナーレが、有働が持つ「仕事」というものへの敬意を物語る。