1939年に公開された米ファンタジー&ミュージカル映画「オズの魔法使い」からインスピレーションを得たミュベール(MUVEIL)の2013-14年秋冬コレクション。「オズの魔法使い」は、主人公のローズが過ごすカンザスの舞台をモノクロで、オズの国の世界をテクニカラーという手法で描き、話題を呼んだ作品だ。
ドロシーの住むカンザス州の家にあるソファーやクッションのイメージは、草花を描いたインターシャのモヘアニットに。カラフルなモチーフはどことなく、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す。花や動物のモチーフはスタジャンにあしらわれたクロスステッチにも見られる。
映画に用いられたテクニカラーの表現から影響は、レースにPVCを重ねたドレスに見られる。ビビッドな色彩が光沢を帯び、より印象的だ。スカートやシューズ、バッグに用いられたグリッターやラメの眩さは、魔法の世界をイメージさせる。
登場人物であるカカシから着想を得たという明細のルックも、花柄でカモフラージュが描かているスイートなグラフィックがミュベールらしい。首元には、イタリアのインテリアテープを使ったネックレスが、レトロ感をプラスする。
また、映画からのインスピレーションとして、良いウィッチをホワイトのアイテムで、悪いウィッチはブラックドレスで表現している。「オズの魔法使い」の世界のファンタスティックで楽しげな雰囲気が存分に落とし込まれ、現実と幻想の合間を行き来するようなドリーミー・ムードが薫るコレクションとなった。