ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のウォッチ・コレクションの中でも、象徴的な存在である「タンブール」は、約1世紀にわたって培われてきたルイ・ヴィトンのクラフツマンシップと、メゾンのエスプリを継承するタイムピースだ。今回は、この「タンブール」ウォッチの軌跡を振り返るとともに、2020年に登場した新作を総まとめ。
2002年、ルイ・ヴィトン初の本格的ウォッチ・コレクションとして誕生した「タンブール」。その名は、フランス語で「ドラム(太鼓)」を意味している。ドラム独特のシェイプからインスパイアされたシルエットが特徴で、まるでリズムを刻む打楽器のようにテンポよく時を刻む。
外観の魅力はもちろん、伝統的なスイスの時計製造のノウハウを駆使したムーブメントによる充実の内部も魅力。今では、自動巻きのクロノグラフだけでなく2つのタイムゾーンを表すGMTモデル、ダイビングウォッチ、現代的なコネクテッドウォッチなども展開し、メゾンが重きを置く“旅”や“冒険”のテーマを受け継いできた。
また、2013年にデビューを果たした「タンブール スリム」や、ダイヤモンドなどを使用したジュエリー感覚で身に着けられるラグジュアリーなデザインも誕生。さらに2017年には、これまでの「タンブール」のイメージを覆す、ケースの内側に弧を描くシェイプが特徴の「タンブール ムーン」が登場した。
まずは、これまで登場したラインナップの中から、定番・人気モデルをピックアップ。
「タンブール オトマティック クロノグラフ ダミエ・コバルト V スティール&ゴールド」は、メゾンのダミエ・キャンバスから着想を得たデザイン。クラシックな「タンブール」のデザインをブルーとゴールドでモダンに再解釈した。
文字盤には、アイコニックなキャンバスが再現されており、その上に“V”のシグネチャーが描かれている。ミッドナイトブルーのPVDでコーティングされたケースには、ピンクゴールドのホーンとプッシュボタンがアクセントを加えている。
2017年に登場した「タンブール ムーン」は、女性でも身に着けやすいエレガントなデザインが魅力。「タンブール」ならではのユニークな曲線を描くケースは、まるで三日月のような輪郭だ。エッジ部分に施された窪みが光を反射し、カーブを優しく照らし出す。
ルイ・ヴィトンを最も象徴するシグネチャーのひとつである“モノグラム・フラワー”をたたえて誕生した、ひときわフェミニンなモデル「タンブール スリム モノグラム」。
文字盤はマザー オブ パールの優しい輝きと、パヴェセッティングされた繊細なダイヤモンドによって描かれる“フラワー”の煌めきによって、ジュエリーのような美しさをもつ。ストラップは付け替え可能なので、シーンや気分によって多彩な楽しみ方ができるのも魅力だ。
2020年、「タンブール」は、デザインと機構の両方がさらに充実したウォッチ・コレクションとなった。