ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY) 2021年春夏ウィメンズコレクションが発表された。
今シーズンのイメージソースとなったのは、自分自身、自然、アートとのつながりを通し、自由を夢見るアクティブなステラウーマン。全体の65%をサステナブルな素材で構成した、ブランドらしいエコフレンドリーなアプローチと共に、ファッションと地球の明るい未来に向かって突き進む、力強いスピリットに満ちたコレクションに仕上げている。
まず目を惹くのは、やや実験的にも感じられる、ボディコンシャスなシルエット。“現代古典主義”のアイディアのもと、破壊的な視点で再解釈したというコルセットは、ミニ丈のドレスやノースリーブのトップスとドッキング。バストをツンと強調するような、その構築的なフォルムはそのままに、柔らかな素材やシームを通して、センシュアルになりすぎない、フェミニンな要素を引き立てている。
こうした身体にピタッとフィットするアイテムからは、一種のセンシュアリズムだけでなく、アクティブな要素も感じられる。例えば今季散見されたミニ丈ドレスと並んで登場した、淡いブルーのピースは、もとを辿るとスポーツのユニーフォームのよう。フード付きトップスとサイクリングショーツを組み合わせたような快活な表情を持ちながら、繊細なレースで再解釈することで、ロマンティックなムードへと引き寄せているのが面白い。
一方でステラ マッカートニーのシグネチャーであるブリティッシュテーラリングのルックは、メンズウェアに着想を得て誕生したマニッシュな雰囲気。比較的細身のジャケットに合わせたのは、空気を含んだようにボリューミーなトラウザーズ。ジャケットのスリーボタンは全て留めることなくラフに、また足元は素足×フラットサンダルを合わせることで、肩ひじ張らない余裕のある女性像を演出している。
ローズピンク、カーキ、ピーチ、タンジェリンオレンジ、スカイブルー、バンブーといった、春夏らしいカラフルなパレットに更なるエネルギーを与えるのは、楽しく弾けるバブルガムや、炎のように鮮やかなレッド。アイコニックなジャンプスーツは、“生地の一部を染料に浸す”ディップダイ手法で、鮮やかなレッドを差し込むことで、より一層アクティブな表情を強めている。