世界が認める「高級ハイジュエリーブランド」を特集。ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)やショーメ(CHAUMET)、ティファニー(Tiffany & Co.)といった世界的メゾンから、日本の老舗ミキモト(MIKIMOTO)まで、“女性が夢見る”名門ジュエラーの歴史&特徴を各ジャンルごとにまとめてみた。
意外と知られていないジュエラーの違いを発見することで、ジュエリーの奥深さや魅力をより一層認知できるもの。“いつの日か手に入れたい‟憧れのジュエリーをイメージしながら、ジュエリーへの造詣を深めてみてはいかがだろう。
「世界5大ジュエラー」とは、確固たる地位を築いた、世界的に高い人気を誇る老舗ハイジュエラーのこと。ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)、カルティエ(Cartier)、ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)、ブルガリ(BVLGARI)、ティファニー(Tiffany & Co.)の5大ブランドがこれに当たる。最高品質の宝石を使用したハイジュエリーは、世界の王族やセレブたちをも魅了するほど、高貴な美しさを放つ。
ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)は、アメリカのハイジュエリーブランド。宝石商の息子として生まれたハリー・ウィンストンが、1920年にプレミア・ダイヤモンド社を立ち上げたことから始動した。
ハリー・ウィンストンを象徴するスタイルのひとつが、「ウィンストニアン・スタイル」と呼ばれる独自の技術。宝石と宝石を細いプラチナのワイヤーで繋ぎ、地金の使用を抑えることで、あたかも宝石だけが散りばめられているかのようなゴージャスなジュエリーを完成させる。花嫁たちの永遠の憧れ、ハリー・ウィンストンのダイヤモンドリングが人気を集めるのも、納得の理由だ。
カルティエ(Cartier)は、1847年パリにて生まれた老舗メゾン。創業から1939年までの間に15ヶ国の王室御用達を勅許状を拝命し、ハイジュエラーとしての確固たる地位を確立した。世界で初めて“プラチナ”仕様のジュエリーを誕生させたメゾンとしても有名だ。
パンテール ドゥ カルティエ リング 4,488,000円(税込)
※18Kホワイトゴールド、エメラルド2個、オニキス、ブリリアントカット ダイヤモンド242個(計2.21ct)
Maxime Govet © Cartier
カルティエのジュエリーのアイコンとして押さえておきたいのが、パンテール(豹)をモチーフにした「パンテール ドゥ カルティエ」。1914年に初登場して以来、時代の変容に合わせつつも、カルティエのシンボルとして多くのデザインを展開してきた。2020年の新作には、ホワイトゴールドにダイヤモンドやオニキスを配した、新たなデザインのジュエリーが仲間入りした。
ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)は、1906年フランス・パリで生まれたジュエリーブランド。創業者のひとりアルフレッド・ヴァン クリーフが結婚を機に誕生したメゾンは、「愛・美・夢」をテーマに掲げている。
“自然”にインスパイアさえたデザインを多く持つ、ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー。中でも、象徴的なモチーフといえるのが、幸福のシンボル“四つ葉のクローバー”に着想を得た「アルハンブラ」だろう。そのモチーフの中央で輝くのは、メゾンが厳選した上質なストーン。ネックレスをはじめ、ブレスレットやリングなどが展開されている。
1884年にローマに誕生したブルガリ(BVLGARI)は、銀細工の店として始動。卓越したクラフトマンシップと、独自のスタイルを持つクリエーションによって、モダンイタリアンジュエリーの礎を築き上げた。
ブルガリのジュエリーといえば、大胆なカラーコンビネーションと、ブランドのルーツ“ローマ”にオマージュを捧げるモチーフが印象的。その代表となるのが、ローマ神話に登場する“官能の象徴”ヘビをモチーフにした「セルペンティ」だ。その吸い込まれるようなヘビの瞳には、鮮やかなストーンが使用されることも珍しくない。
1837年アメリカにオープンした文房具と装飾品の店を起源に持つティファニー(Tiffany & Co.)は、19世紀半ばに現れはじめた富裕層をターゲットに、ジュエリーショップへと移行。二月革命から逃れたフランス王室から、ダイヤモンドの王冠を購入した取引を機に、宝石商としての地位を不動のものとする。
「キング・オブ・ダイヤモンド、ティファニー」とも称されるほど、ダイヤモンドへ並々ならぬ情熱を注いでいるティファニーのジュエリー。そんな美しいダイヤの輝きを存分に楽しめるジュエリーとして、2020年に登場した「ティファニー T ワン」を紹介したい。1980年より続くメゾンの象徴“Tモチーフ”に、眩いほどのダイヤを散りばめたリングやバングルは、メゾンの新アイコンとして、メゾンの歴史を紡いでいくはずだ。
続いて紹介するのが、フランス・パリの高級宝飾店協会に所属する「グランサンク(5大宝飾店)」。メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO dits MELLER)、ショーメ(CHAUMET)、ブシュロン(BOUCHERON)、モーブッサン(MAUBOUSSIN)に加え、前述した「世界5大ジュエラー」のひとつヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)が、パリ・ヴァンドーム広場を拠点とする一流メゾンの5大ジュエラーとしてカウントされている。
※下記では、ヴァン クリーフ&アーペルの紹介は省略。
メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO dits MELLER)は、イタリアからパリへと移住したメレリオ一家によって1613年に創設された、フランス最古のハイジュエラー。顧客リストにはマリー・アントワネットの名も刻まれており、2014年冬にはマリー・アントワネットが1780年頃に購入したブレスレットがメゾンの元へ戻ってきたことで話題となった。
メレリオ・ディ・メレーを象徴するモチーフとして知られているのが、“孔雀の羽根”。1868年に製作されたブローチは、ダイヤモンドを中心に、エメラルド、ルビー、サファイヤといった豪華なジュエリーを飾ることで、メゾンのシンボルを讃えた。神秘的な色合いを放つこのブローチは、ナポレオン3世の皇后の心をも射止めたという。
ショーメ(CHAUMET)は、1780年に創業したパリを代表するハイジュエラー。ナポレオンの乗った馬が暴走し、それを助けたことからナポレオンと皇后ジョゼフィーヌ御用達のジュエラーになったという逸話がある。またタヴィドの絵画でも有名な、ナポレオンの戴冠式における宝冠製作にも携わっている。