![fashionpress[ファッションプレス]](/img/common/logo_0119_1928.svg){kind=logo}
メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)の2021-22年秋冬コレクションが発表された。
メゾン ミハラヤスヒロの2021-22年秋冬コレクションのテーマは“ベーシック アンチノミー(Basic Antinomie)”。
矛盾とパラドックスに満ち、様々な問題が増え続ける現代社会。グローバリズムが正義として語られ、自らの経験し得ない、理解の範囲を超えているモノでさえも受け入れなければいけなくなってしまった。そんな現代へのアンチテーゼとして、三原は“不調和であること”の美しさを提示していく。
テーマとなるアンチノミーは日本語で“二律背反”、矛盾しつつも合理的な2つのもののこと。コレクションアイテムでは、その“二律背反”の概念を2つの異なる服同士を繋ぎ合わせたり、違った素材やパターンを複合させた構造で表現している。
目を惹くのが袖部分のデザイン。アームホールを前にずらして、バックの寸法を大きくすることで特大のシルエットに。レザーやデニム、ウールなどを素材にした様々なアイテムに本構造は採用されており、アイテムよってサイズのオーバー具合が異なる点もポイントだ。
ブランドにおいてアイコニックなデザイン手法である、既存のモノを“再構築”するメソッドは今季も健在。三原自身が保有する古着から着想した、ヴィンテージのミリタリーブルゾンジャケットを繋ぎ合わせたような一着をはじめ、一度解体しリビルドしたようなブルゾンやシャツ、袖のみのアウターなどユニークなアイテムを複数展開する。
それら複雑な構造の服を眺めていると、今季のテーマと相まって、これまで以上に服たちに三原の強いメッセージが含まれているように思えてくる。“二律背反”な現代において三原が考える本当の正義とは？その答えは新たなピースに袖を通した時に分かるのかもしれない。
リンクをコピー
