メゾン キツネ(Maison Kitsuné)は、2021-22年秋冬メンズ・ウィメンズコレクションを発表した。
メゾン キツネは前シーズンに続き、ゲストデザイナーを迎えてクリエーションを展開。今回は、2人のベルギー人デザイナー、Oriane LeclercqとLucas Sponchiadoをアーティスティックディレクターに迎え入れ、“夜のパリ”から着想を得たコレクションを披露した。
活気溢れるパリの街に馴染む溌剌とした佇まいを形作るのは、ブランドのルーツでもある“音楽”だ。レコーディングスタジオや音楽機材、サウンドウェイブを連想させるモチーフや素材・色使いが随所に散りばめられ、生き生きとした音楽を視覚的に表現した。例えば、柔らかなニットには、ミキシングの音波をオン。ネオンイエローの音波がアイスグレーのニットに華やかなアクセントを効かせる。
また、ネオン管の光を彷彿させるアシッドなカラーのストライプも登場。ジャケットやスカート、シャツ、ストールなどの生地表面に沿って、光が通過する時のような視覚効果をもたらしている。ミキシング画面のようなグラフィックを落とし込んだジャケットやコートは、程よいツヤとハリのある生地の質感がテキスタイルのエレクトロニックなムードを引き立てている。
夜の街灯に映える、光沢感のあるウェアも散見された。メタリックな光沢を放つパフィージャケットやトップスは、マットなアイテムと組み合わせてコーディネートすることでコントラストを描き、より一層存在感を増す。その他にも、胸元にアイコニックなフォックスモチーフを配したアクティブなバーシティジャケットや、ミニマルなコーチジャケットなどにも、艶やかな素材が採用されている。
絶えず形を変えるような、動きのあるデザインも印象的だ。ボリューム感のあるストールはニットと一体化し、贅沢に生地を用いたタックワイドパンツは流れるようなドレープを描く。メンズのワイドパンツは、足首の見えるアンクル丈に仕上げることで活発さを演出した。また、スリット入りのパンツに合わせたブルゾンは、前合わせを二重に重ねたデザインが特徴。前を開けて着ると、しなやかな生地感も相まって襟がダイナミックに開き、ユニークなダブルジップのディテールが際立つ。