シャネル(CHANEL) 2021/22年秋冬 プレタポルテ コレクションがデジタル上で発表された。長年シャネルのショー会場であったグラン・パレから一変、今季はパリの伝説的クラブ「カステル」を舞台にした、新たなる物語を繰り広げる。
アーティスティック ディレクターのヴィルジニー ヴィアールの着想源となったのは、故 カール ラガーフェルドが生前に話してくれたという、遠い昔のショーの物語。舞台裏に集まるモデル達は、自ら着替え、メイクアップを施したうえでランウェイへと繰り出していく。そんな彼女たちの様子に想いを馳せたヴィアールは、螺旋階段が印象的なクラブ「カステル」を舞台に、モデルが“自分たちのため”にショーを行う、楽しくもセンシュアルなガールズナイトを演出した。
今宵限りのランウェイとなった螺旋階段を駆け巡り、広間で堂々と闊歩するモデル達。彼女たちが纏う秋冬のワードローブは、まるで無邪気にファッションを楽しむかのごとく、シルエットや素材にユニークなコントラストをきかせているのが印象的だ。
例えば、踝までゆったりと流れるロングコートは、素足を大胆にみせたスタイリングながら、足元にはボリューム感たっぷりのフェイクファーブーツがスタンバイ。また温かなツイードのジャケットに合わせたブラウスやスカートには、軽やかなシアー素材を差し込んでいるほか、メリハリのあるシルエットを叶えるクロップド丈のトップスデザインも散見された。
さらに今季は、ロゴ入りのサロペット スキースーツや、温もり溢れるニットウェア、身体をすっぽりと包み込むロングダウンコートなど、ヴィアールが愛してやまないスキーリゾートの要素を融合させているのも特徴的だ。しかしながら、そんなアクティブなコードと同時に共存するのは、キラキラと輝くドラマティックなラメ糸。またツイードやキルティングといった、上品な素材も融合させることで、フレッシュさとエレガンスを備えたシャネルならではのスタイルを提示している。
パレットは秋冬らしいブラックやグレーを基調にしながら、時折目が覚めるような原色カラーをミックス。中でもショーの中盤に登場したレインボーカラーのグラフィックは、パーティーを盛り上げるような華やかさで、ジャケットのスカートや2ピースとして提案された。
なおコレクションには、パーティールックに相応しい新作アクセサリーも充実。煌めくスパンコールのバレリーナシューズやバッグ、ジッパーを外すことで“シルバーヒールのブーティー”が現れるブーツ、ネックレスのように首から掛けられるミノディエールっといったアイテムが、次々とランウェイの上に登場した。