ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)は、2021-22年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを東京の寺田倉庫にて2021年3月14日(日)に発表した。
ジョン ローレンス サリバンのデザイナー・柳川荒士が今季辿り着いたコンセプトは「PROTECT(プロテクト)」。ミリタリーをはじめとする“防”のディテールを拡大解釈し、バイクのモーターサイクルジャケットやワークウェア、スポーツウェア、レーシングユニフォーム、拘束具など、様々な場面における“防具”の要素が盛り込まれている。
目に留まるのは、パンクファッションにおいても特徴的な、拘束具を用いたボンデージスタイルだ。端正なテーラードジャケットやトレンチコート、白シャツには、縦横にハーネスが張り巡らされ、規則的にベルトを並べたボンデージパンツをコーディネート。仕立てそのものは至ってオーセンティックなスーツスタイルながら、均等に並ぶハーネスやベルトがエッジィな雰囲気を生み出している。ボンデージスタイルに連動して登場した、レオパードモチーフやメッシュニットなど、パンキッシュなアイテムも目を引いた。
さらに、チェスターコートやテーラードジャケットには、アイスホッケーのキーパーウェアから着想を得たキルティングパッドをオン。同様のキルティング地を採用したパンツは、脚の中心を走るように上下通じたジップを走らせ、複数のポケットをあしらうなどアクティブな佇まいに仕上げている。
また、日射病などを防ぐ女性用ゴルフウェアのネックゲーターから派生させたマスク付きカットソーや、工事現場で働く作業員の鉄板入りシューズからイメージを膨らませた金属のシューアクセサリーなども登場。
前身頃にレイヤーを施したパンツやスカートは、防護の役割を果たす「チャップス」をイメージ。スラックスの上から重ねたスカートはハイウエスト仕様で腰から膝周りまでを覆い、ミニスカートの上からカバーする「チャップス」は用途に応じて前を開閉できる仕様になっている。ひざ上まで脚をカバーするサイハイブーツもまた、防護の意味合いで用いられた。
シルエットは、身体を“プロテクト”するのに適したジャストなフィット感がメインとなっている。ハイウエストのセンタープレスパンツやスカートには、陸上競技などのスポーツウェアを彷彿させるタイトなタンクトップをコーディネート。
リブ編みのニットには上からコンパクトなレザーベストを重ねることでより衣服の密着度を高め、テーラードジャケットやブラウスにはサイドにフィット感を調節できるベルクロパーツを配置。どのような人が着ても作業に適したフィットに調節できる、ワークウェアのような仕様に仕上げている。
尚、ジョン ローレンス サリバンが東京でショーを開催するのは、2010年秋冬コレクション以来11年ぶり。スタイリングをタカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)のデザイナーである宮下貴裕が手がけ、東京ならではのスペシャルなランウェイショーとなった。
尚、ショー終盤に登場したオーバーサイズのサングラスは、タカヒロミヤシタザソロイスト.による新ブランド「タカヒロミヤシタザレフトアイ.(TAKAHIROMIYASHITATheLeftEye.)」の0001.モデル。柳川荒士と宮下貴裕といった2人のデザイナーのクリエーションを融合させた象徴的なルックが披露された。ラストには、タカヒロミヤシタザソロイスト.のマスクを着けた柳川が登場。粋な挨拶とともにショーを締めくくった。