08サーカス(08sircus)は、2022年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。
今季は、よりジェンダーレスなデザインのウェアを提案。ゆったりとしたシルエット、柔らかな色合いががニュートラルな雰囲気を漂わせ、肩の力は抜けていながらも存在感のある凛とした佇まいを見せている。
春夏の爽やかな陽の光になじむ、製品染めの繊細で表情豊かな色味が目を引く。土っぽさのある淡いベージュのコートやパンツは、表面に細かく刻まれたシワと穏やかな色味が相まって長く着込んでいるかのような風合いに。淡いグレーに染めたMA-1は、長さの異なる裾を二重に重ねたような、遊び心のあるデザインを採用。ユニークなシルエットと生地のしなやかな質感によって、軽快さを演出する。
また、ふわりと裾に向かって広がるAラインのドレスや、ポケットを複数配したミリタリー感の漂うベスト、シャツなどは、青みがかったグレーの色彩によって、落ち着いた印象に。アイボリーの構築的なトレンチコートやカジュアルなブルゾン、ブラックのロングワンピースやコート、ジャケットといったベーシックなカラーのアイテムも、どこか余韻を残すような色味が印象的だ。
竹で編んだ籠に生地を入れて1点ごとに抜染を行う“籠染め”のウェアも、個性的な表情を見せている。グリーンやパープルの鮮やかな開襟ブラウスやハーフパンツなど、さらりとした薄手の生地に不均一で抽象的な模様が浮かび上がる。染めによって偶然生み出された模様は自然の中の陰影のようでもあり、身に着けるとすっと身体になじんでいく。
抽象性、曖昧さはプリントのテキスタイルにも共通しており、大理石のようなマーブル模様をプリントしたセットアップやパンツが登場している。
加えて、身体とつかず離れずのゆとりを持たせたパターンや、ドレープも散見された特徴だ。落ち感のある生地を用いたブラウスは、肩のラインを少しドロップさせることで袖口に向かって緩やかなカーブを描き、細かいプリーツを配したスカートは身体の動きに連動してフレキシブルな躍動を見せる。袖・身頃ともに分量を持たせたロングコートは流れるような造形も相まって柔らかく身体を包み込み、端正さと開放感の両方を併せ持った装いを形作っている。