コンバースの定番スニーカー「ジャックパーセル(JACK PURCELL)」を特集。「オールスター(ALLSTAR)」と並び、コンバースの中でも特に高い人気を誇る名作スニーカー「ジャックパーセル」の歴史や人気モデルを徹底解説する。
コンバース「ジャックパーセル」は、コンバースのみならずスニーカー界を代表する人気の定番スニーカー。伝説のバドミントンプレイヤーであるジャック・パーセルが開発に携わったバドミントンシューズとして誕生し、第1号モデルが発売されてから85年以上経った現在ではデイリーユースのスニーカーとして高い支持を集めている。
■トウ先端の“スマイル”
コンバース「ジャックパーセル」1つ目の特徴が、笑った口のように見えることから、通称“スマイル”と呼ばれているシューズのトウ部分のデザイン。「ジャックパーセル」ならではのデザインとして古くから愛されているポイントだ。
■通称“ヒゲ”ヒールラベルのマーク
コンバース「ジャックパーセル」2つ目の特徴となるのが、通称“ヒゲ”の愛称で親しまれているヒールラベルのマーク。三角形が2つ並ぶデザインがヒゲのように見えることから愛称がつけられたが、実はこのマークは「ジャックパーセル」に搭載したインソールのシステム“ポスチャー ファンデーション(Posture Foundation)”を図案化したもの。土踏まずの内側をやや硬く高めに、外側を柔らかく低めに設計することで正しい姿勢を保ちやすくする“ポスチャー ファンデーション”の構造を表現している。
1935年 「ジャックパーセル」第1号モデルが誕生
コンバースのスニーカー「ジャックパーセル」の第1号モデルが誕生したのは1935年のこと。製造はタイヤメーカーのB.F.グッドリッチ社が請け負っていたとされており、販売はスポルディング社という会社が担当していた。
1960年代 トレードマーク“ヒゲ”がヒールラベルに
1940年代から1950年代にヒールラベルが無い「ジャックパーセル」の初期モデルが流通した後、1960年代になると、ヒールラベルに「ジャックパーセル」のトレードマークである“ヒゲ”が登場するモデルが発売。それまでガムソールだったソールがスラブソールへと変更される。
1970年代 コンバース社から「ジャックパーセル」を販売
1970年代にはそれまで「ジャックパーセル」の製造を請け負っていたB.F.グッドリッチ社とコンバース社のシューズ部門が統合。コンバース社から「ジャックパーセル」を販売するようになる。当時の「ジャックパーセル」のソールは水色で、ヘリンボーンソールとスラブソールの2種類が展開されていた。
1970年代中盤~1990年代 フォルムやカラーなど バリエーションが拡大
そして、1970年代中盤から定番フォルムに加えて、デッキシューズモチーフの「ウィンドジャマー」やメッシュとスエードを組み合わせた「クーレイア」、スポーツカーをイメージした「レースアラウンド」など「ジャックパーセル」のバリエーションを拡大。1980年代にはカラーバリ―ションも増やし、ウィメンズ向けの「ジャックパーセル」も充実した。
2005年「ジャックパーセル」生誕70年を記念し大幅リニューアル
2005年には「ジャックパーセル」の生誕70年を記念し、機能面のアップデートが実施された。クッション性の高い取り外し可能な“カップインソール”、細かな波型の切れ込みが入った“ウエーブスリットソール”を新たに採用。“スマイル”や“ヒゲ”などお馴染みのディテールはそのままに、従来よりも片足あたり約70gの軽量化を実現した。
■ヒールラベル
1940年代頃 ヒールラベルが無いジャックパーセル。
1950年代頃 立体的なプリントで“Jack Purcell”の文字のみが入る。
1960年代 通称“ヒゲ”と呼ばれるマークと共に“Jack Purcell”の文字が立体的に入る。
1970年代以降 1960年代のデザインをベースに、“Jack Purcell”が立体だけでなく平面でもデザインされるようになる。