映画『ONODA 一万夜を越えて』が、2021年10月8日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。
映画『ONODA 一万夜を越えて』は、1974年3月、終戦後約30年の時を経て帰還し「最後の日本兵」と呼ばれた旧陸軍少尉・小野田寛郎(おのだひろお)の潜伏期間に着想を得て、史実をもとに制作された作品。フランス映画界の新鋭アルチュール・アラリが監督を務め、フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本の国際共同製作映画でありながら、ほぼ全編が日本語のセリフで紡がれている異色作だ。
第74回カンヌ国際映画祭2021の「ある視点」部門オープニング作品に選出され、現地では約15分ものスタンディング・オベーションを受けるなど、高い評価を得た。
小野田寛郎 青年期(遠藤雄弥)・成年期(津田寛治)
終戦後も任務解除の命令を受けられないまま、フィリピン・ルバング島にて約30年間を過酷なジャングルの中で過ごした、小野田寛郎。上官の命令により作戦を決行する為ルバング島に上陸するも、指揮権も与えられないまま敵に襲撃され、攻撃や飢え、病に倒れていく仲間たちを前に苦悩する。ついには、25年以上も共にジャングルを生き抜いた唯一の友である小塚を亡くし、真の孤独に苛まれる。
青年期を演じるのは、遠藤雄弥。山崎貴監督の『ジュブナイル』で13歳の時にデビューし、近年はドラマ・映画で活躍している。
成年期は、これまでに250本以上の映画に出演し、北野武監督ら日本映画界の巨匠たちから信頼を得る津田寛治が担当。成年期の小野田を体現するため、約1年かけて減量し、撮影に臨んだ。
谷口(イッセー尾形)
小野田にルバング島でのゲリラ戦を決行するよう命じた上官。
鈴木紀夫(仲野太賀)
小野田が帰国するきっかけになった旅人。今もなお戦争の中を生き続ける小野田にとっては、シャツにジーンズ、靴下にサンダルばきという見慣れない“奇妙な”出で立ちをした鈴木。小野田は鈴木を警戒し、銃を向ける。一触即発の体制で、鈴木は小野田にこう話しかける。
「話がしたいんです。とても長く、辛いご経験をされたと思います。戦争は終わりました。昭和20年に。小野田さん、どうするおつもりですか。ここに骨を埋めるおつもりですか。日本に、僕と一緒に帰りませんか。」
この言葉がきっかけで、小野田寛郎の約30年に渡る潜伏生活が終わりを遂げる。劇中では、津田寛治&仲野太賀の出会いを見事に再現した。