オドラデック(ODRADEK)にとって東京コレクションデビューとなった2010S/Sシーズンのコレクション。ハレルヤ(HALLELUJAH)と題された今回のテーマでは、「ずっと昔からメンズウェアにこだわってきた」と語るデザイナーの狩野デミアンせりか(Demian Celica Kanou)氏が「アクセサリーとメンズウエアの融合」にチャレンジした。
黒をメインにしたカラー、そしてハードなレザー素材など一見武骨で男らしさ溢れた印象を受けるが、パールを散りばめたTシャツ、バラの花からインスピレーションを受けたコサージュや、極め細やかなディテールのレースやアクセサリーなどフェミニンなモチーフがアクセント。性別を超えたような自由な表現となっており「男性に身につけて欲しい」と語る狩野氏であるが、いくつかのアイテムはユニセックスで楽しめるもの。
「花が咲きみだれるレザージャケット」「シャンデリアのように輝くシャツ」とポエティックに表現されたそのコレクションは、アクセサリーと衣服の垣根を越えて、男女の垣根を越えて、見るものに衝撃を与えた。
最後に今回のコレクションに添えられた詩をご紹介。レナード・コーエンの「ハレルヤ」をインスピレーションとして、オリジナルで作られている。
ハレルヤ。
体が空気に溶けてしまいそうな日は
キズが重すぎて絶望と興奮がくりかえされる日は
珠色の甲冑をまとった甲冑をまとったリザードのように
はち切れそうなカオスをうすい膜できっちりくるむと
セカンドスキンのように
体になじんんだレザージャケットには花が咲きみだれ
いつものシャツはシャンデリアのように輝きだし
着古したTシャツにこぼれ落ちたなみだは真珠にかわり
暗闇のなかにうかびあがります
うごくことをやめない頭と
深く沈んだ心臓をもつそんな宵闇は
彼の声で脳を麻痺させ
and every breath we drew was Hallelujah
そんな風に生きている彼を
ODRADEK
と呼びます。