フェンディ(FENDI) 2022年春夏コレクションが発表された。
キム・ジョーンズにとって、2シーズン目を迎える2022年春夏のウィメンズコレクション。前季に続き、再びメゾンの歴史を探るキムの着想源となったのは、アーカイブから発掘したファッションイラストレーター、アントニオ・ロペスの存在だ。カール・ラガーフェルドの友人でもあったロペスの作品は、独特な色使いと曲線が特徴的。ファッションを通じて蘇る彼の作品の数々は、メゾンの高いクラフトマンシップトと融合した、新たな価値を見出している。
例えばカフタンやシルクのシャツに映し出されたのは、ロペスらしい躍動感あふれる筆致で描いたエレガントな抽象的図画。また比喩的なドローイングは、インターシャを施したレザーの上に現れたり、複雑なレースで表現しているのが特徴だ。
そして今シーズンは、70年代のディスコ全盛期を彷彿させる華やかなピースも印象的だった。毛足の長いボリューミーなドレスに、ディスコダンサーを連想させるスーツジャケットや、ミニ丈のドレス。当時の雰囲気を詰め込みながらも、着心地のよさそうなリラクシングなシルエットと、大胆なカッティングをバランスよく組み合わせ、大人の女性に似合うワードローブへと昇華させている。
フェンディを代表するアクセサリーにも、今季のムードを詰め込んで。タペストリーに虹を描きだした「バゲット」やアートワークのような「ピーカブー」バッグをはじめ、Fモチーフのヒールが大胆なロングブーツが登場。またロペスのイラストをアレンジした“ユリの花”のヘアアクセサリーは、デカダンス的なムードとトロピカルな空気を醸している。