N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD) 2014年春夏コレクション、「TWO-GUN HART」。サイレント西部映画界において絶大な人気を誇り、フロンティアマンの正義と任侠をこよなく愛したウィリアムス・S・ハート(William S Hart)に強く影響を受けている。
アメリカ文化の象徴でもあるウェスタン。砂埃の中、馬に乗る当時のカウボーイスタイルに用いられた装備や服装も重厚で、色の重いアイテムが主流だった。新作コレクションでは、それらをN.ハリウッドのフィルターに通し、軽く明るい生地・色を中心に据えて現代的なスタイルに昇華させている。
ショーの前半・中盤には、馬蹄モチーフのプリントがあしらわれたシャツやつば幅の広いテンガロンハット、無造作にまかれたスカーフなど、古き良きウェスタンスタイルが登場した。オリジナルテキスタイル、スタッズや刺繍などのディテールには、デザイナーが得意とするヴィンテージ使いが惜しみなく発揮されている。後半はシックなスーツスタイル。シャツ襟やネクタイにもスタッズをあしらうなどディテールにアクセントを効かせ、遊び心溢れるフロンティアマンの粋なオシャレを表現した。
グレーをはじめとする濃い色や重厚感のあるデニムなど、往年のカウボーイたちが好んだだろうエレメントが散りばめられているセットアップやチェスターコートは、光沢と艶を持たせ軽やかに。ライムグリーンやオレンジ、レッド、ミックスウェスタンチェック、オフホワイトなど自由な配色で遊び、コレクション全体に奥行を持たせた。
引退後、ハリウッドで牧場経営をしていたハート。当時古着バイヤーだったN.ハリウッドのデザイナー尾花大輔は、偶然にもその近くの一軒家を拠点に活動していた。数奇な運命がふたりを繋ぎ、尾花がアメリカ文化に改めて向き合うことで完成したこのコレクション。フロンティアスピリットを宿した「Neo Classic Country」スタイルを、現代を力強く生き抜く男性達に贈る。