アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2022年春夏ウィメンズコレクションがイギリス・ロンドンで発表された。
今季のインスピレーションの源となったのは、自然の最も激しい一面である“ストーム”。雲や雨、そして嵐へと絶えず形を変え全てを網羅していくストームの姿を、アレキサンダー・マックイーンの衣服に身を包んだ女性たちで表現することで、予測不可能な変化を受け入れ進んでゆくパワフルな女性の姿を描き出す。
目を引くのは、様々な空模様をダイナミックに落とし込んだグラフィックプリント。見晴らしの良いロンドンのスタジオの屋上で実際に撮影されたというこのアートワークは、夜明けから日暮れまでの雲の形や色、澄んだ空から乱れた空への変化など、刹那的な空の表情をリアルに映し出している。
シルエットは、軽やかでボリューミーな印象。たとえば、ホワイトのシャツワンピースは袖口にぎゅっとギャザーを寄せ、雲のようなバルーン状に。また、空気を纏うシフォン素材で仕立てたサンシャインイエローのオフショルダードレスは、細かなプリーツを施した贅沢な布使いで優美な柔らかさを際立たせた。
“予測不可能”なストームを追うように、ショーの後半からはがらりと雰囲気が一変。レザーとデニムをドッキングさせたペンシルドレスや、ネオンピンクのレザーを使用したコルセットドレスなど、強く自立した女性を思わせるエッジーなスタイルが散見された。
コレクションの終盤に華を添えるのは、装飾的でラグジュアリーな衣服たち。ショルダーやウエスト部分に大胆なカッティングを施したブラックタキシードには、目を見張るような美しさのクリスタルレインドロップ刺繍をオン。自信溢れるパワフルなルックの中にエレガントなエッセンスを交えて帰結した。