日本が誇るデニムブランド・エドウイン(EDWIN)の代表作「503」。ブランドの顔ともいえる名作ジーンズはいかにして誕生したのか。ブランドの歴史を紐解きつつ、進化し続ける「503」の魅力に迫る。
エドウインの誕生は、終戦から2年後。1947年に、前身となる常見米八商店が東京・日暮里に誕生した。当初は米軍払い下げ衣料品の卸しであったが、後にアメリカから中古ジーンズの輸入も始める。
固い・縮む・色落ちする・高額…と、日本人には好まれなかった当時のアメリカ製ジーンズ。“もっと日本人の体型にあった、履きやすいジーンズがあればいいのに…”この思いが、ジーンズメーカーとしての出発点となる。ブランド名は、「DENIM」の文字を並べ換え、「EDWIN」と名付けられた。
エドウインを代表するジーンズ「503」が誕生するのは、1997年のこと。誕生に際し課せられたテーマは「常に最新の技術やトレンドを取り入れながら、日本人の体型やライフスタイルにマッチしたジーンズを生み出すこと」。当時の日本人のニーズに応えた「503」は、アメリカの俳優、ブラッド・ピットを起用したテレビCMによって日本中に認知され、爆発的ヒットを記録する。
「503」最大の特徴は、柔らかな履き心地。形態安定シャツなどに使用されるEIKAN加工を世界で初めてジーンズに落とし込むことで、当時のジーンズの特徴であった“ごわつき”を最大限抑えつつ、ソフトな肌触りとジーンズらしいハリ・ツヤを実現した。
また、EIKAN加工は染料の馴染みが良くなるのも特徴で、“エドウインブルー”とも呼ばれる美しい濃紺のカラーもこの技術によって生まれたのだ。
ジーンズブランドの定番モデルは、初期に細かなディテールの変更はあるものの、そのほとんどが形を変えず現在に至るものが多い。その中で、「503」は発売以降、年代ごとに細かなディテールの変更やモデルチェンジが行われている。「503」は、誕生の際に掲げられた“普遍”のテーマに従いながらも常に“変化”し続けるという、従来のジーンズとは一線を画すユニークなジーンズなのだ。
ここで、現在購入できる最新版「503」の特徴を紹介する。従来の「503」から変更した点は大きく3つ。1つ目は選べる3つのシルエットを用意した点だ。あのブラッド・ピットも着用したクラシックなシルエットの「レギュラーストレート」に加え、膝下から緩やかに細くなる「スリムテーパード」、ゆったりとしたシルエットの「ルーズストレート」を展開。年齢や性別、体型を問わず、様々な人にフィットする「503」にアップデートされている。
2つ目の変更点は、豊富なカラーバリエーション。ジーンズらしいインディゴの濃・中・淡の色味はもちろん、ブラックジーンズやホワイトジーンズ、チノーズ風のカーキやハードウォッシュが施された淡色ブルーといった幅広いモデルがラインナップしている。3つのシルエットとの組み合わせを含めると、きっと自分の好みのジーンズが見つかるはずだ。
3つ目は、「503」の特徴であるEKIAN加工をやめ、新たに繊維メーカー・クラボウと共に新開発したデニム生地を採用した点。3本の組糸を撚り上げて作る精紡交撚糸を経糸に採用することで、表面はEKIAN加工同様の滑らかでシャープな肌触りを実現しつつ、ジーンズ全体の耐久性を高めている。
なお、最新版エドウイン「503」は、エドウインのコンセプトショップ1号店となるエドウイン トウキョウ ハラジュクをはじめとするエドウイン取扱店他、公式オンラインショップにて購入できる。