真紅のファーストルックからスタートしたメゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)の2014年春夏コレクション。スパンコールやキラキラと輝くフリンジなど華美なきらびやかさと、典型的なテーラリングとのコンビネーションが今回のコレクションを印象付ける。これらの相対するワードローブが、躍動的で、華やかで、魅惑的なカットとラインにリ・デザインされた。
50年代のサーカスの世界にインスピレーションを得た今シーズン。ビブ(胸当て)や取り外し可能なアクセサリー・スリーブが多く見られる。流れるような曲線を描くドレスにバンドやストラップが配され、さらにアクロバティックなパールが散りばめられた。
綱渡り芸人のビスチェ、空中ブランコ曲芸師のトラウザー、キャバレー・コルセットなどが、ファンタジックで優美な世界観を助長する。エラスティックバンドを配したシルクのイブニングドレスは、シアター・カーテンのように優美なドレープを描き、ドラマティックに。透けるガーメントをストラップやリボンでアシンメトリーに結び、女性らしいフォルムを演出する。大胆に肌がのぞくバックサイド、バスト部分のシャーリング、ストラップドレスとして再解釈されたトレンチコートやスーツは、そのサルトリアルが潤色な装飾をまとい、着る人をファンタジーの世界へと導いていくようだ。
ファンタジーに演出されたクラシックなメンズのツーピースも、今季のキールック。典型的なスーツをジュエル・ビスチェでベルトマークしたり、スパンコールのハイウェストのパンティをパンツのインナーに合わせたりといった、きらびやかな装飾にメゾンらしい遊びが見られる。それらの軸がやはりメンズのテーラリングであることを象徴するかのように、ファーストルックと同様、装飾が一切施されていないパンツスーツが、フィナーレを飾った。