NYに始まり、ロンドン、ミラノ、パリで開催された2014年春夏のプレタポルテコレクション。ポップアートから抜け出てきたようなグラフィックや、快活な印象を与えるインパクト・カラーを使ったルックが多く登場。スポーツウェアからヒントを得た素材使いやカットは、ルックにアクティブな雰囲気を与えながら、クチュール感もミックスされ、より洗練されたものに昇華された。そのトレンドをひと言で表すなら「スポーティ&エレガント」。
力強さと知性を感じさせ、時に厳しい現代社会を力強く生き抜くヒントが、女性が秘めるパワーであることを象徴している。厳しい環境でも凛とエレガントに、そして周りにポジティブなオーラを振りまく、強く美しい現代の女神像を描き出しているのかもしれない。
曲線を生かしたカラーブロックやストリートアートのような力強いグラフィックを大胆に使ったルックが、観る者に大きなインパクトを与えた今季プラダ ( PRADA ) 。エレガントなビジューと、チルデンセーターに見られるようなプレッピーな太ストライプの組み合わせなど、斬新なミックス&マッチを提案した。
ラフ シモンズ ( RAF SIMONS ) によディオール ( Dior ) の2014年クルーズコレクションは、スポーティな要素が多く取り入れられた。プリーツの軽やかなキュロットパンツに合わせたのは、スポーティなカッティングのブラトップ。エレガントな大人のリラックススタイルを演出した。
メッセージや海や魚をモチーフにしたプリントで海洋保護を訴えケンゾー ( KENZO ) 。ストリート感のあるビッグシルエットのカットソーに、裾が波のシルエットにカッティングされたIラインのタイトスカートを合わせたこのルックは、まさに「スポーティ&エレガント」。
対照色のネオンカラーの組み合わせや、極端に強調されたパーツなどは、反抗的でピュアな少女性を感じさせる。切り裂いたり、ひっくり返したり、「当たり前」に異議を唱える意志の強さが込められたヨウジヤマモト ( Yohji Yamamoto )のルックだ。
クロスしたショート丈のトップスに迷彩柄、そして90年代テイストのチョーカーとサンダル。ショートパンツにAラインスカートをレイヤードし、アクティブで若々しいスタイルに、エレガンスをMIXしたカルヴェン ( CARVEN ) のルック。
カモフラージュ調にも見えるポップアートのような柄は、今季ジル・サンダー ( JIL SANDER ) の代表的なモチーフ。縮尺の違う同じパターンを組み合わせることで、ミニマルでクリーンなドレスに遊びゴコロを加える。
ミリタリーやスポーツウェアなどメンズウェアのディテールをフェミニンに再解釈するのが得意sacai が真骨頂を発揮。今季はスポーツウェアの要素をより色濃く取り入れた。ホイッスルのネックレスや厚底にデフォルメされたサンダルがアクセントに。
テーラリングのマニッシュなトップスをストライプのバンドでウエストマークし、さらにフェミニンな丈のスカートを合わせるという実験的マルニ ( MARNI ) のルック。更にアクセサリーには、サンバイザーとラフなトングサンダルを合わせ、スポーティに。