ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2022-23年秋冬メンズコレクション「DG 22-23」が、イタリア・ミラノにて発表された。今季は、アメリカのラップシーンにおけるスターの1人、マシン・ガン・ケリー(Machine Gun Kelly)の存在と、現実を超越する“メタバース”の2つが共存する、次世代に繋がるような自由な感性に触れるコレクションを描いた。
マシン・ガン・ケリーと言えば、パンクやオルタナティブなど多ジャンルをクロスオーバーさせ、新しい感性でヒップホップとロックを往来するアーティスト。だからこそ今季のドルチェ&ガッバーナのショーには、ブランドならではのグラマラスでラグジュアリーな軸に、様々な要素が取り込まれた。幾何学的なラインやプロポーションに目を付け、テクニカル素材やプラルチック素材を織り交ぜたフューチャリスティックな世界は、いつになく“トガっている”。
トラディショナルな素材で仕立てた重量感のあるコートは、脱構築的なショルダーでオーバーサイズに仕上げられている。ジャケットには、極端に大きいピークドラペルが採用され、なだらかにドロップするショルダー、あるいはダーツが極端に施されたシャープなウエストとのコントラストが生みだされた。
コレクションを通して、鮮やかなグラフィックも今季のキーワードとなっているが、これはアーティストのBoche / Thoroが実際に手書きしたものと、カラフルなオールオーバープリントで提案されている。キッチュなスプレアートを彷彿させるグラフィックや、モノトーンのロゴは、ラグジュアリーなストリートモードを助長した。
そしてドルチェ&ガッバーナが得意とするグラマラスな世界を彷彿とさせる、煌びやかなファブリックやエコファー、PVCやネオプレンといった未来的要素を加える素材が混ざり合う。現実と非現実を往来するようなこのコレクションのパワーが、見る者、そして着る者の自由な感性を刺激する。
なお、ドルチェ&ガッバーナは、2022年以降、すべてのコレクションにおいて動物の毛皮の使用を廃止。一方で、毛皮加工職人のものづくりを次世代に受け継ぐため、フェイクファーの代替品としてエコファーを採用していく。