マメ(mame)が2014年春夏コレクションを発表した。7シーズン目となるコレクションは「personal memory」がテーマ。デザイナーの黒河内真衣子が、長野の山奥で祖母と過ごした日々がインスピレーションだ。約2週間、実際に祖母のところに訪れ、庭に咲いていた花や家の絨毯など、心に響いた昔の「思い出」を、黒河内がファッションで表現する。
カラーはブランドの定番であるブラック、ネイビーなどを中心に、カーキやボルドーといった新しい色にも挑戦している。初めて使用したミリタリーカラーのカーキは、戦前生まれの祖母の話がアイディアとなった。カジュアルな印象を出しつつも、スカートにはぺプラムがほどこされたり、ニットは丈を短くしたりと、ブランドの持つ女性らしさをしっかりと残す。
様々なレースは、ドレスの袖や首回りなど、様々な部分に使用。しっとりと美しいボルドーのドレスは、繊細なレースを袖に用いてエレガントに。真っ白なレースのトップスとパンツは、百合の花のモチーフがピュアな雰囲気だ。
フラワー柄は、庭で咲いていた植物たちをスケッチしたもの。ボルドーの花を中心に、ナズナなど自然の植物をプリントされ、可憐ながらどこか素朴な印象に。
懐かしい和の雰囲気を感じさせるストライプのロングドレスは、旅館の浴衣をイメージ。織物の産地である尾州でつくられた生地は、立体感のある糸が織り込まれた独特の肌触りが特徴。バックにはリボンがついているので、チャーミングにさらりと着こなせそう。
また長野の霧ヶ峰で撮影を行ったというルックにも注目したい。霧だらけだった風景から徐々に霧が冴えていく様子が美しく、コレクションの世界観をさらに引き立てる。
「着る人が少しでもコンプレックスをなくし、綺麗に見える服を作りたい」と話す黒河内は、服を探す時の、少しでも華奢に見せたい、脚を長く見せたいといった願いを叶えたいという。そんなマメのコレクションは、テーマは明確ながらデザインは常に着る人の想いをしっかりと汲んでいる。女性のもつ繊細さ強さを感じさせるワードローブ、それはまさに「お守り」のような存在だ。