2013年10月17日(木)に、インプロセス(IN-PROCESS)の2014年春夏コレクションが発表された。"平穏"や"牧歌的"な様を表す「IDYLLIC」という言葉をテーマに、子供の頃や、旅に行ったときの楽しい思い出を、パステルカラーとプリントでとびきりハッピーに表現する。
ランウェイの背後に青空と蝶々が映し出され、ショーが始まる。木漏れ日のような照明が幻想的な雰囲気を漂わせる中、ペールブルー、ピンク、ライトパープルといった春らしい色合いの服をまとったモデルたちが次々と登場する。
思わず目を向けてしまうのは、愉快なプリントだ。ドレスやトップスにプリントされたロンドンやNYなどの世界各地の風景は、楽しかった旅の思い出を表現している。また度々登場するフラワー柄もキーポイント。ニットに用いた花々はちょっぴりレトロなムードが、懐かしい気持ちにさせる。
風に舞うようなエアリーなワンピースを中心に、スカートなどフェミニンなアイテムが揃う。ニットやシャツなども、すっきりとしたシルエットのテーパードパンツに合わせることで、華やかな色や柄が引き立った。
後半は、ブラックやダークグレーといったダークトーンに切り替わる。ゴールドのレースを用いたアイテムは、アンティークのような色合いがアクセントに。ニットのトップスには、スパンコールの花モチーフが輝く。
今季はキュートな小物たちにも目が離せない。足の甲が切り取られたメンズライクのシューズは、ヒールがないのに可愛さを発揮するユニークなアイテム。薄手のプリントソックスや、タイツと合わせれば、メルヘンな印象に。
前回の都会的な雰囲気からがらりと変わった今シーズン。デザイナーの大原由梨佳は「(前回と比べ)少しリラックスし、強く発信するだけでなく、着たときの"楽しい"とか"嬉しい"という感情をつくったコレクション」と話す。同じくデザイナーのスティーブン・ホールと忙しい日々を送る中、なかなか出かけられないこそ、"旅"や"カーニバル"をイメージしたのだという。
人生で最も幸せな瞬間を、切り取って集めたようなコレクション。麗らかな春の陽気にふさわしいワードローブが完成した。