トリー バーチ(TORY BURCH)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。
今シーズンの着想源となったのは、ニューヨークの街角で見かける個性的な女性たち。一瞬のスナップ撮影でも目を引く彼女たちのスタイルを、豪華さとミニマルさ、シュールレアリスティックとスポーティといった“コントラスト”で解釈することを試みた。
彫刻的でボリュームのあるシルエットは、締め付けるようなウエストマークによりボディを強調する新しい形に。ヒップがカーブした形のブレザーや、足首に向かって徐々に細くすぼまっていく形のハイライズパンツなど緩急のあるアイテムを組み合わせることで、マニッシュなスタイルの中に女性らしいラインを浮かび上がらせた。
目を引くのは、ラグジュアリーとスポーティーをミックスしたアイテムだ。たとえば、ロング丈のイブニングドレスはカジュアルな印象のジップ・プルオーバーでアップデート。
また、玉虫色のタフタやフィルクーペ・ルレックスなどの華やかな素材は、洗いをかけて生活感のある質感に。なめらかなパフォーマンスジャージー素材のトラックジャケットやジップ・プルオーバーは、高級感のあるナパレザーと合わせることで、ハイとローを融合させたリアルな女性の着こなしを反映している。
大胆で楽観的なカラーは、デザイナー集団「メンフィス」の創設メンバーであるナタリー・ドゥ・パスキエの作品から引用したものだそう。アースブラウンやベージュといった控えめな色調と、シャトリューズグリーン、コバルトブルー、フューシャピンクなどのネオンに近いカラーの対比が1つのルック内で描かれているのも面白い。
自由奔放なムードに拍車をかけるのは、カラフルに彩られた幾何学モチーフ。原色のジャージーTシャツには幾何学模様のハンドビーズが施され、カジュアルなフォルムをイブニングスタイルに高めている。