スポーツマックス(SPORTMAX)が2022年秋冬コレクションを発表。
いくつものドアが並ぶ“空中回廊”を舞台に披露された、スポーツマックスの2022年秋冬コレクション。“Dial 'S' for…”をキーワードに、女性性へ向けられるあらゆる固定概念の“解体”を試み、挑戦と誘惑をはらんだ、パワフルかつボディコンシャスなルックを展開する。
コレクションの礎となったのは、集合的無意識の中で形成されてきた“女性”たち。アダムの最初の妻と言われ、のちに悪魔になったとされるリリスや、ヒッチコック監督の映画『めまい』で魔性の女を演じた女優キム・ノヴァク、映画『ロジャー・ラビット』に登場する架空のピンアップガール ジェシカ・ラビットなどの姿を、ブランドのフィルターを通すことで解釈し直し、新たなセックスシンボルを提案した。
再構築のヒントとなったのが、女性の社会進出に転機が訪れた1940、80、90年代のファッションだ。例えば、1940年代にはアワーグラスシルエットのジャケットが登場。コレクションでは、しっかりとしたテーラード構造×ボディの探求のコンビネーションという形で表出されている。
1980年代からは、ビッグショルダージャケットとタイトなペンシルスカートを合わせ、マスキュリンな要素を取り入れて。続く1990年代ではさらにその表情を強め、身体のラインを浮き彫りにするボディスーツやセットアップ等が、性別を超越したアンドロジナスな存在感を放っている。さらに、ドレッシーなスーツやコート、トップスなどあらゆるアイテムへ、コンテンポラリーにアレンジしたボディスやパッドを大胆に取り入れ、着る人が持つ曲線美をアーティスティックに強調した。
また、ヘルムート・ニュートンや、ギイ・ブルダン、チェイコ・レイドマンなどの写真作品から着想を得たという、センシュアルなディテールも印象的。ナイトドレスに差し込まれたスリットや深いネックライン、強調されたウエスト&ヒップラインが、洗練されたエロティシズムを発揮する。
カラーパレットはブラックやミッドナイトブルー、僅かなコーヒー、ヌードといったダークカラーがベース。その中に、レッドのコートやブーツ、煌めきを帯びたパープルのハーフネックドレスなど、1982年公開のSF映画『ブレードランナー』を彷彿とさせる鮮烈なネオンカラーが差し込まれている。