コーチ(COACH)は、2022年秋コレクションを発表した。
スチュアート・ヴィヴァース率いるコーチの2022年秋シーズンでは、“Somewhere in America”をテーマに、アメリカのどこかにある想像上の郊外の街を描き出す。アメリカン ヘリテージを見つめ直し、記憶の中の街並みやポップカルチャーへのノスタルジーを感じながらも、現代の前向きなエネルギーを吹き込んだ新たなスタイルを提示している。
中でも目を引くのは、コーチの真骨頂ともいえるシアリングやレザーのアイテムだ。分量感のあるシアリングジャケットやレザーコートを、ベアモチーフのTシャツやブラトップの上からざっくりと羽織ったルックの数々は、存在感がありつつも軽快な佇まいが印象的。クラシカルなスタイルに、フレッシュなエッセンスを効かせている。
また、コーチの初代ヘッドデザイナーであったボニー・カシンへ捧げるオマージュとして、アーカイブをベースにしたダイナミックな袖が特徴のアウターが登場。チェック柄や鮮やかなオレンジのハウンドトゥースなど、グラフィカルなモチーフをあしらったアウターに、イエローやピンクといったアイキャッチなカラーのシアリングを加えることでモダンな佇まいに仕上げている。加えて、1964年発表の「スリング」バッグにアレンジを加えたバッグもランウェイに登場した。
さらに、グラフィティアーティストのミント&サーフ(Mint&Serf)とコラボレーションしたレザーアウターも披露。アグレッシブなグラフィティプリントがオーセンティックなレザーウェアを覆い、前衛性を帯びた佇まいを見せている。
加えて、60~70年代ファッションを思わせるミニドレスも散見されたスタイルだ。ノスタルジックなクロッシェドレスや、丸襟もしくはレースの襟を配したプリントドレスなど、イノセントなムードを帯びたミニドレスが、郷愁や回顧を喚起する。モーブピンクやコーラル、ライトブルー、ライトグリーンなどの温かみのある色彩に彩られたレースドレスには、コントラストカラーのキャップやチョーカーをコーディネート。ロマンティックな装いにアクティブな要素をプラスした。