いつも強くて、平和を愛し、困ったときには助けてくれる…。Y-3(ワイスリー) 2014-15年秋冬コレクションは、誰もが一度は憧れた”あの”スーパーヒーローがモチーフ。「世界に残された希望はスーパーヒーローだけかも知れない」という思いから生み出された遊び心あふれるショーが、フランス・パリで開催された。
一目見て、何をイメージしたものか分かるだろうか。このモスグリーンはあのヒーロー、このブラックは有名な敵キャラかも、イエローにヌンチャクといえばもしや…。そんな想像を膨らませるだけでも楽しい、ヒーローにオマージュを捧げた数々のルック。しかし、あくまでコスチュームには寄り過ぎず、ともするとシルエットやデザインにヨウジらしさが見え隠れ。レザーやファーなどのリュクスな素材とテクニカルな素材の組み合わせは、Y-3のアイデンティティをしっかりと感じさせる。
目新しいものと言えば、漫画のコマ割りが拡大プリントされたり、コミックでおなじみのセリフ「TO BE CONTINUED...(続く・・・)」や「SO WE MEET AGAIN.(また会ったな。)」が入っているTシャツやタンクトップ。バックパックと一体化したメンズのジャケットや、超厚底のウッド製ウェッジソールシューズも観衆を驚かせた。
そんな今回のショーについて、クリエイティブ・ディレクターの山本耀司は語る。「このコレクションは、60年代のクチュリエに捧げるオマージュ。この精神をコレクションに吹き込みたかったし、スーパー ヒーローや彼らが着る服や、アクティブな闘うライフスタイルに適したカットについても考えていた。それで二つの世界を一つにすることにしたんだ」。
クチュールに由来するゴージャスさと、スポーツウェアのアクティブさ。そのどちらかではない、両方の純度をさらに高め、Y-3は再びパリに帰ってきた。