ベルギーの中ではブリュッセルに続き二番目に大きなの都市。アントワープ州の州都。フランス語では「アンヴェール(Anvers)」。英語では「アントワープ(Antwerp)」オランダ語では「アントウェルペン(Antwerpen)」
ベルギーの中でもフランスに近いブリュッセルはフランス語圏をオランダに近いアントワープはオランダ語圏。ブリュッセルではなかなか英語が通じないがアントワープではほぼ英語が通じる。ベルギーの首都ブリュッセルから北東で約50km、約人口50万の都市。電車で40分ほどで行ける。
15世紀後半毛織物交易の中心地となり、さらに16世紀にはスペインやポルトガルが植民地から仕入れたものをさばく貿易港として繁栄、国際商業都市として急成長をとげ、金融・経済の中心地となった。現在でも活気のある臨海工業地帯として、バロック芸術、ファッション、ダイヤモンドの町として繁栄する。
■ファッション
アントワープ王立芸術アカデミーと呼ばれる写真、彫刻、絵画、ファッションを教える芸術学校があり、そのファッション科が特に有名。「アントワープ派」と呼ばれるデザイナーの出身校で、アントワープの6人をはじめ、数多くの偉大なデザイナーを輩出する。
■ダイヤモンド
ダイヤモンドの取引量の世界一を誇り、世界の原石の約 50% - 85% を扱う。ダイヤモンド取引を行う上でのインフラが整っており、ダイヤモンド鑑定機関、ダイヤモンド取引専門の銀行、ダイヤモンド輸送会社、ダイヤモンド研磨用機材の販売店等々がそろっている。中央駅近くには本当に多くのダイヤモンド店があり、ストリートの全部をダイヤモンド店が占めているのではないかという程ダイアモンド店が多い。
■芸術家
経済的繁栄を背景に、多くの芸術家が集まり、フランドル絵画の黄金時代を築いた。有名な芸術家はバロック芸術の巨匠ルーベンス、庶民の日常と神話的世界を融合させたブリューゲル一家、油絵と遠近法という技術革新を成し遂げたアンソニー・ヴァン・ダイク等。
■モードナシー Modenatie
モードナシー:ファッションの博物館 2002年に開設。この施設は4階構造で、1階階はミュージアムショップ、ファッション専門書店、カフェ、レストラン、ギャラリーなど、2階は州立モード博物館MoMu、3階はフランダース・ファッション・インスティテュートFFIとファション図書館、4階には王立アントワープ美術アカデミーファッション科がある。
■ノートルダム大聖堂 Onze-Lieve-Vrouwe kathedraal
1352年から建造が開始され、1520年に完成したネーデルラント地方最大のゴシック教会堂で123mの高さを誇る北鐘塔は、圧巻の一言。南鐘塔は資金不足のため未完のまま断念された。堂内には「キリスト降架」、「キリスト昇架」、「聖母被昇天」、など絵画の傑作の数々の傑作がある。名作「フランダースの犬」に登場する教会で、ネロ少年が憧れていて最後に見るルーベンスの2枚の絵はこの教会にある。「キリストの降架」「キリスト昇架」。
■中央駅 Centraal Station
1895年から1905年の世紀の変わり目に建造されたネオバロック様式の大建築で、アントワープのシンボル。ガラスと鉄骨で築かれた半円筒形のホーム天蓋はベルギーを代表する近代建築の傑作と言われる。アントワープが芸術の街であることが一目で分かる。
■グロート・マルクト(マルクト広場) Grote Markt
アントワープの中心にある広場で、市庁舎Stadhuisは1561年から1564年にかけて建造されたルネサンス様式の建物で、中心にはジェフ・ランボー作のブラボー像の噴水がある。マルクト広場のまわりを取り囲む市庁舎やギルドハウスの眺めは圧巻だ。
ブラボーとは、ブラバントという名の紀元となった古代ローマの兵士の名で、スヘルデ川で暴威をふるっていた巨人アンティゴーンの手(ant)を切り取って投げた(werpen)という伝説に登場する英雄。この伝説はアントウェルペンという地名の由来といわれている。