とある郊外の閑静な町。すらりとした長身と金髪のロングヘアが人目を引くエミリーは幼稚園の教師である。実はガチガチの白人至上主義者であるエミリーは、知人の女性たちと「アーリア人団結をめざす娘たち」というグループを結成し、その1回目の会合を行おうとしていた。教会の談話室に集まったメンバーは、主催者のエミリーを含めて6人。日頃の不満や過激な思想を共有した6人はすっかり意気投合するが、交流会は彼女たちの会話の内容を危険視した教会の神父によって中断された。だが、エミリーは平静を装い、「うちでワインでもどう?」と二次会を提案する。用事があって辞退したアリスとジェシカを除くエミリー、レスリー、キム、マージョリーは、ワインを調達するためにキムの食料品店に立ち寄る。ところが、閉店中だと知らずにアジア系の姉妹アンとリリーが現れ、思わぬトラブルが勃発。
そこにエミリーの夫クレイグが迎えにやってくるが、腹の虫が治まらない4人はこれから姉妹の家に行き、ひと泡吹かせてやることを計画。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった。
映画『ソフト/クワイエット』は、アメリカで社会問題化している「ヘイトクライム」の狂気を描く、クライム・スリラー作品。『パラノーマル・アクティビティ』『パージ』などを世に送り出してきたブラムハウスが製作総指揮を手がける。ヘイトや集団心理の恐ろしさを映す衝撃的なストーリーと、全編ワンショットで撮影された没入感あふれる映像が高く評価され、SXSW2023でプレミア上映され審査員特別賞にノミネートされた。監督・脚本は、本作が長編デビュー作となるベス・デ・アラウージョ。