クイーン アンド ジャック(Queen&Jack) 2023-24年秋冬コレクションが、2023年3月15日(水)に上野・東京国立博物館にて発表された。
日本・イタリアの共同制作を実現したウィメンズの高級制服ブランド・クイーン アンド ジャック。2022年春夏シーズンには、“日本の制服”を可愛くアレンジし、スクールユニフォームのムードやディテールをアップデートさせた<コスチュームライン>が誕生したが、今回はさらにそこから派生する<コレクションライン>が始動。「ラグジュアリー ユニフォーム(Luxury Uniform)」をキーワードに、“制服風ファッション”をモードへと昇華させたプレタ・クチュールを提案する。
グレーの制服スタイルをベースに、サスペンダースカートやパーカー重ねたレイヤードルックから始まったランウェイ。目に留まるのは、こうした見慣れたユニフォームをベースにしながら、どこかエッジィで、同時にラグジュアリーなムードも感じられるピースの数々だ。
例えば制服の定番であるシャツ×セーターのコンビネーションは、新しいバランス感覚で提案。ピンクのボーダー柄シャツには、裾のサイドに大きな切り込みが入ったリブニットをレイヤード。またアイボリーのシャツには、だらりとアームが落ちる程長いボーダー柄のモヘアを組み合わせた。いずれも端正なパンツ×艶やかな黒のローファーを合わせることで、ユニフォームライクでありながら、洗練された空気も宿している。
秋冬の制服に欠かせないアウターも、デザイナーの視点を通してモダンに再解釈。本来“おりこうさんルック”を作るピーコートは、共布の細いテープを複数ぶら下げたほか、アームにも波打つようなシャープなディテールをあしらいモードライクに。一方、制服とは親和性の低いダウンジャケットは、“ケープ”をつけてクラシック風なテイストで。首元にはキラキラと煌めくスワロフスキーを飾ることで、ロマンティックなムードもプラスしている。
ショーの終盤へと差し掛かると、これまで提案されてきたユニフォームルックの解体・再構築が進んでいく。オーバーサイズのグレーのジャケットは、その内部の構造を露わにするような複雑なフォルムへとアップデート。またシャツの上に重ねたカーディガンは、その編み模様をダイナミックに解釈しただけでなく、無機質なチェーンも編地と共に巻き付けている。
そしてラストルックは、全ての集大成。セーラーカラーをベースにしたケープコートは、制服を連想させる複数のチェック柄の布地に、イタリアから取り寄せたフランスレースを贅沢にコンビネーション。ウエストは細く、一方でバックデザインはマントのように広がる程ダイナミックさを持つ、アイキャッチな一着に仕上がっていた。