マメ(mame)の、2014-15年秋冬コレクションは、先シーズンに引き続き「Personal memory」がテーマ。デザイナーの黒河内真衣子が、長野にある祖母の家に訪れ、そこで見た草花や家にあるもの、祖母から聞いた祖父との思い出話にインスピレーションを受けている。
蔵の中から出てきたという緑色の九谷焼の器。黒河内は、結婚や祝い事といった宴に使用されてきたというこのお皿の、その春らしい色合いや凸凹とした手触りに注目した。そのためコレクションでは、黒、白といった定番カラーに加え、今季はグリーンが目立ち、繊細な総レースのドレスや、スズランのような花の刺繍など、上品な色合いがワードローブを彩る。また、祖父と祖母が一緒に出掛けたという鳴門海峡のイメージは、薄い生地を何枚も重ねて渦のように見せたホワイトのドレスで表現した。
そのほかに注目したいのは、ブラックとホワイトで展開されるブロークン加工のデニムスカートやパンツだ。凛とした雰囲気のマメのコレクションには珍しいアイテム。しかし思い切り破けたデニムの中からは、花柄のレースを覗かせるなどブランド流にメンズライクなボトムをコレクションに取り入れた。
また黒河内は、日本各地の生地屋に実際に訪れて自ら素材を選んでいるという。ツイードのジャケット&スカートのセットアップは、クラシカルながら素朴な質感が特徴。チェック柄も多く見られ、コートをはじめ花柄のフロッキー加工がなされたトップス、ブルーのニットなどに使用された。
祖母と一緒に時間を過ごすことで、彼女の持つ誠実さや謙虚さに影響を受けたというデザイナー。コレクションでも、その気持ちが一着一着に現れているようだった。