モトナリ オノ(motonari ono)の2014-15年秋冬コレクションが、2014年3月21日(金)に東京・渋谷で発表された。今季のテーマは、「Swinging 60's」。
ショーが始まるとリズミカルなBGMとともに、モッズコートを着たモデルたちが次々に登場し、駆け抜けるようにランウェイを早足で歩いた。着用しているコートは、すべて使い込まれた古着を調達したもので、デザイナーの小野原誠いわく、「土臭い」感じを出したかったという。フェミニンなドレススタイルに、荒々しいアウターを羽織ることで、ブランド流の「モードの夜明け」を表現したと話す。
その後“There's a girl. Seen her walkin' down the street~”と、ヒップスター・イメージ(Hipster Image)の『Make Her Mine(メイク・ハー・マイン)』が流れ、コレクションは一気に60年代のムードが全開に。当時の装いを思わせる幾何学模様のドレスやパンツルックに、メンズライクなボア付のバイカージャケットやモッズコートを羽織ったスタイルが中心で、特にアウターは胸下のショート丈のものが多く見られる。これまで女性らしさを前面に出したカクテルドレスなどが多かったが、今季はマニッシュなアイテムも織り交ぜ、よりリアルクローズに近づいている印象。
しかしブランドらしい繊細なフェミニティは、いたるところに見られる。例えば、レースと薄手のドッド柄の生地を重ねた丸襟ブラウスは、胸元を大きく開けてセンシュアルだったり、とろみのある生地のシンプルなシャツドレスには、プリーツスカートをエプロンのようにドッキングさせていたり。また華奢な紐リボンが襟やウエストに取り入れられ、マニッシュなアウターとのコントラストが新鮮だった。
パレットはベージュを基調にブラウン、キャメル、カーキといった秋色が目立つ。また柄物はドットや幾何学柄のほかにも、ガンクラブチェックといった英国を意識したものも。トラディショナルでちょっぴり渋い柄も、袖やヘムラインにフリルをあしらったドレスにしてクラシカルな装いに仕上げている。