豪華な声優陣も集結

メインキャストに名を連ねるのは、「呪術廻戦」の主人公・虎杖悠仁などで知られる榎木淳弥、『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』でギギ・アンダルシアを演じた上田麗奈、「リコリス・リコイル」のクルミ役などで活躍する久野美咲など。どのような経緯でキャスティングを行いましたか？

五実役の久野美咲さんは、何年も前から当て書きで脚本を書いていたんです。久野さんの声を思い浮かべながら「こういう風に演技してくれるだろうな、してくれたらいいな」という気持ちで書いていて。

五実は狼に育てられた少女という設定上、あまり喋る子ではないので、独特の息遣いなどが大事になってくる。それを上手く表現してくれたのが、久野さんでした。彼女の声があったからこそ、脚本を完成できたと言っても過言ではありません。

2年前に作った特報には久野さんの声のみ入れてましたよね。

はい。あの時は声優さんは決まっていなかったんですけど、久野さんだけは当て書きでもう決めてたので、久野さんの声だけ入れさせてもらおうと思って。たとえば正宗や睦美なら、一人でナレーションぽく喋ってもらうことはできるけど、五実の場合それはできない。

なので、最後に叫び声だけ入れて映像を組み立てました。アフレコの際にその叫びを聞いた瞬間、震えたというか感動してしまって。その声を聞いたからこそ、絵だけでなくシナリオまで遡って変更した箇所もあります。久野さんの声による推進力を感じました。

睦実役や正宗役はどのように決まったのでしょうか？

睦実役に関しては、最初はＶコンテに、仮で声をあててくれる声優さんを探していたんです。そこで上田麗奈さんが手伝ってくださることになったんですが、その声を聞いて「もう、睦実は彼女しか考えられないな」となってしまって(笑)。

気持ちがちゃんと動く演技をされる方なので、収録を重ねるにつれてどんどんキャラに入っていくのが印象的でした。睦実が自分の周りのキャラたちを好きになっていったからこそ生まれる優しい声だとかも上手く表現してくださいました。

正宗役は、ちょっぴりフェミニンな見た目の男の子に、ちゃんと男の子っぽい声の榎木淳弥さんが合うんじゃないかと思って。キャラクターデザインの石井百合子さんとも、中性的な声というより男の子らしい声の方がいいよねと意見が合致したので、スムーズに決定しました。御三方とも、絵に乗って気持ちのいい雰囲気を出してくれる芝居をしてくださいました。

最後に、本作を楽しみにされている方々にメッセージをお願いします。

映像も物語も、音も声も、すべてがひとつの塊になっている、すごく一体感のある作品になっていると思います。その熱を感じていただけたら嬉しいです。

作品詳細

アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』
公開日：2023年9月15日(金)
原作：岡田麿里
脚本：岡田麿里
監督：岡田麿里
副監督：平松禎史
キャラクターデザイン：石井百合子
美術監督：東地和生
音楽：横山克
制作：MAPPA
出演：榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲、八代拓、畠中祐、小林大紀、齋藤彩夏、河瀨茉希、藤井ゆきよ、佐藤せつじ、林遣都、瀬戸康史
主題歌：中島みゆき「心音(しんおん)」
配給：ワーナー・ブラザース映画、MAPPA

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