芸術家アルフォンス・ミュシャ世界初のオフィシャルブランド「ミュシャ(MUCHA)」。作品の世界観を落とし込んだ香水やグッズなど心ときめく「ミュシャ」の品々は、発売されるや否や多くの人の心を鷲掴みに。本記事ではそんな「ミュシャ」のアイテムにフォーカス。香水やヘアミストといったフレグランスから、トートバッグやポーチといった雑貨まで商品の魅力を余すところなく紹介する。
アルフォンス・ミュシャは、1860年にチェコの南モラヴィア地方に生まれた、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家。彼の名を一躍有名にしたのは、1894年にサラ・ベルナールのためのポスター《ジスモンダ》だ。その後、演劇、美術展、商品広告のポスターや、装飾パネル、リトグラフ等の作品を発表。さらにその独自の作風は、グラフィックアートの分野を超えて宝飾品や彫刻においても芸術性を高く評価された。
しかし、華やかな一面とは対照的に、祖国・チェコの独立のために自身の“芸術”を通して闘った画家でもあったミュシャ。晩年は、古代から近代に至るスラブ民族の歴史を象徴的に描いた、全20作品にもわたる油彩画の連作《スラブ叙事詩》に取り組んだ。彼が手掛けた作品は、フランスをはじめとするヨーロッパ、彼が一時期を過ごしたアメリカ、そして日本でも今尚多くの人に愛され続けている。
そんな世界中で絶大な人気を誇る芸術家アルフォンス・ミュシャの世界初となるオフィシャルブランド「ミュシャ」が誕生。コスメキッチン(Cosme Kitchen)やジェラート ピケ(gelato pique)など、数々の人気ブランドを手掛けるマッシュグループから登場する「ミュシャ」では、作品から着想を得た香水や、その世界観を表現したグッズを幅広く展開する。
まず最初に注目したいのは、アルフォンス・ミュシャが手掛けた連作《四つの花》(1898)とスプレー式香水「ロド」の商品ポスター(1896)を調香で表現したオードトワレ。ミュシャの原画アートをデザインしたパッケージに、作品に登場するフォントを使用したネームをあしらうなど、細部に至るまでこだわりが詰め込まれている。バリエーションは、ローズ、カーネーション、リリー、アイリス、ロドの全5種。サイズは、ローズ、カーネーション、リリー、アイリスは95mL・35mL・10mLの3種、ロドは35mL・10mLの2種が揃う。
「ローズ」は、アルフォンス・ミュシャの連作《四つの花》のうち“薔薇”をイメージした香り。花の女王らしく堂々と気高く正面を向く薔薇の女性を捉えた作品を、エレガントに表現している。
幕開けは、緑の匂いを思わせるベルガモットやピオニー。そして花が徐々に開いてゆくかのごとく大輪のローズへと移行し、爽やかなラズベリーが優美なレイヤードを引き立てる。ラストはローズウッド、サンダルウッド、ムスクが優しく包み込む。
トップ:ベルガモット、ピオニー
ミドル:ローズ、アイリス、ラズベリー
ラスト:ローズウッド、サンダルウッド、ムスク
愛を信じるという花言葉の赤いカーネーションを手に持つ女性を捉えた、連作《四つの花》の“カーネーション”。そんな愛に溢れた作品から着想を得た香水は、カーネーションを主役にした珍しいフローラルノートで、ローズとベルガモットから幕を開ける。そして、エキゾチックなジャスミン、酸味を秘めたブラックカラント、甘やかなピーチが溶けあい、ラストはムスクの中にシダーウッドが立ちのぼり、スパイシーな余韻を残す。
トップ:ローズ、ベルガモット、アクアティック
ミドル:カーネーション、ジャスミン、ブラックカラント、ピーチ
ラスト:シダーウッド、ムスク
無垢を象徴する百合で飾られた女性を描いた“リリー”の香りは、純潔な百合の花の凜とした佇まいまで纏えるかのよう。幕開けを飾るのは、甘酸っぱいベルガモットとブラックカラント。やがてイランイラン、ムスク、バニラがとろけあう、オリエンタルな香りへと移行していく。
トップ:ベルガモット、ブラックカラント
ミドル:リリー、ジャスミン、イランイラン
ラスト:ムスク、バニラ
希望を表すアイリスに囲まれた美しい女性を捉えた、連作《四つの花》の“アイリス”。パウダリーなバイオレットとヘリオトロープの優しい香りで幕を開け、甘いラズベリーとチュベローズ、ウッディな土の薫りを含ませたアイリスへ。ラストは、バニラとムスクが華やかなハーモニーを奏でる。
トップ:バイオレット、ヘリオトロープ
ミドル:ラズベリー、チュベローズ、アイリス
ラスト:バニラ、ムスク