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インタビュー|写真20

博雅役を演じた染谷さんについてはいかがでしょうか?

晴明と博雅は凸凹コンビにしたかったので、晴明のキャスティングが決まった後、バランスをみて染谷さんに“愛されキャラ”の博雅役をお願いしました。染谷さんもすごく飄々としている人で、“難しい注文が好き”と言っていたのが印象的。「私は」というセリフを繰り返すシーンがあったのですが、「ここ難しいけど、1本調子で言わないようによろしくね。」と言っただけでさっと応えてくれました。

インタビュー|写真25

徽子女王役の奈緒さんをはじめ、安藤政信さんや北村一輝さん、村上虹郎さんなど、錚々たる豪華俳優陣が脇を固めていたのも印象的でした。

ベテラン勢のところは見ていて安心で、演技に関してはほとんどお任せしていました。こだわったこととしては、全員悪役に見える人たちを揃えたことですかね。(笑)

奈緒さんは撮影時26歳とかだと思うのですが、演じるのは19歳の役。難しい役どころだと思うのですが、ものすごく勘が良く、上手な人で、若々しい徽子女王を見事に演じてくれました。

あとは帝役の板垣李光人さん。村上天皇(帝)って10人くらい奥さんがいるプレイボーイで、映画の設定では当時22歳くらいかな。だから、板垣さんの色っぽくて中性的な感じがすごく合っていたと思います。

<映画を楽しむポイント5>“リアルを追い求めた”衣装・美術

インタビュー|写真7

『陰陽師0』の最後の注目ポイントは、平安時代当時の“リアル”を追い求めた衣装や美術だ。色とりどりの美しい装束や、厳かな雰囲気の歴史的建造物が彩る“圧倒的な映像美”は、それだけでも映画館へ観に行く価値あり。

うっとりするほど美しい衣装の数々が印象的でしたが、本作ならではのこだわりはありますか?

今までに映画化・テレビ化された平安時代物は、借り物の衣装を汚さないようにという制作状況の中で作られてきました。ただ、今回の映画の安倍晴明は27歳。若さゆえのダイナミックな動きや、荒々しさを表現していきたいと思い、たとえば白い狩衣(かりぎぬ※)を着ていたとしても、真っ白でノリで固めたようなものではなく、もっと柔らかく、普段から着古しているような質感にしたかったのです。結果、まだ未熟な学生であるということで、老成の色の白ではなく青になりました。

(※)…平安時代以降の公家の普段着。

インタビュー|写真9

衣装・美術を通して、和よりも洋に感じられる部分があったのですが、それは意図したものでしょうか?

はい。正倉院の宝物殿を見ると分かるように、この時代はエキゾチックなものが沢山入ってきている時代でした。普段の時代劇に見るよりも洋に寄った美術を使用し、贅沢さや壮大さ、荘厳さなどがより伝わればと思ったんです。

ただ実を言うと、平安中期のビジュアル資料はあまり残っておらず、どれくらい外国のものが入っていたかなどは正確には分かりません。一応『源氏物語絵巻』という資料があるのですが、あれは『源氏物語』が書かれてから約150年後に作られているんです。今から150年前の日本って、服装も建築も全然違いますよね。写真もない時代であれば尚更、150年後の人たちは、150年前の絵ではなく、その時代の絵を描いてしまったのではないか?と想像しました。資料があまり無い時代なので、映画では“魅せたい雰囲気”に合わせて、ケルトの装飾やラテン語の文章がある世界を採用しました。

資料がないのであれば、もっとファンタジーに作ることもできるはず。ここまで深く調べてこだわろうと思った理由はなんですか?

資料がない、というのは調べないと分からないことでした。調べて、資料があるならその通りにしようと思っていましたし、もしファンタジーで創造するにしても、事実をちゃんと分かった上で無視したかったんです。

インタビュー|写真12

“徹底的に史実を調べる”ことで、想像した部分にも説得感が生まれるのですね。

その通りです。たとえば、今の時代劇でよく見るビシッとした装束というのは実は鎌倉時代からのもの。そのころから男性には衣紋道(えもんどう※)という着付けがありましたが、女性にはありませんでした。それまで高貴な女性は外に出る必要が全くなかったので、好き勝手に着ていたそうです。しかし外国人に写真を撮られるようになり、統一性がないと格好悪いということで、明治くらいから女性の衣紋道が本格的に出てきた。そしてそれが今の十二単になっているそうなんです。

(※)…十二単(じゅうにひとえ)や束帯(そくたい)などの着付け方法。装束に関する知識や技術の集大成。

実際10世紀までは平安貴族の衣装は国風文化への移行期で、大和朝廷文化の衣装と、今よく見る平安貴族の衣装の中間のようなものでした。当時の絹糸は細く柔らかく、、人々は衣装をビシッと着るよりはもっと楽に着ていたのではないでしょうか。観る方には、和の色の美しさとやわらかさ、布をふんだんに使った貴族の煌びやかさ、そして流れる動きを楽しんでいただきたいです。

作品情報

映画『陰陽師0
公開日:2024年4月19日(金)
出演:山﨑賢人、染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人、國村隼、北村一輝、小林薫
原作:夢枕獏「陰陽師」シリーズ(文藝春秋)
脚本・監督:佐藤嗣麻子
音楽:佐藤直紀
呪術監修:加門七海
配給:ワーナー・ブラザース映画

<あらすじ>
舞台は平安時代。政治の中心は、呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁、陰陽寮だった。若き安倍晴明は、"呪術の天才”と呼ばれながらも陰陽師を目指す学生とは真逆で、陰陽師になる意欲や興味が全くない人嫌いの変わり者。

ある日晴明は、貴族の源博雅から皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解決を依頼される。衝突しながらも共に真相を追うが、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出す。アクションあり、ラブストーリーあり、謎解きありの未体験“呪術エンターテインメント”が幕を開ける。

©2024映画「陰陽師0」製作委員会

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