いましろたかしの漫画をアニメ映画化した『化け猫あんずちゃん』が、2024年7⽉19日(⾦)に全国公開。主演は森山未來、久野遥⼦と⼭下敦弘がW監督を務める。
映画『化け猫あんずちゃん』は、いましろたかしの漫画を原作とするアニメ映画だ。主⼈公は化け猫のあんず。子猫の時に拾われて以来、10年、20年と時が経ち気が付けば37歳に。なんと、人の言葉も喋れるようになっていた化け猫・あんずと、あんずを拾ってくれた和尚の孫にあたる11歳の少女・かりんを取り巻く物語を描く。
特徴的なのは、イラストからアニメーション化する従来の方法とは異なり、実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という⼿法を採⽤している点だ。さらに、従来は⼈間の動きをリアルにアニメーション化するために用いられる「ロトスコープ」を、撮影現場でしか⽣まれない「芝居」を落とし込むために使っている。また、セリフも実写で撮影する際に同時録音したものを採用しており、「ロトスコープ」ならではの生き生きとした動き・表情をアニメーションに投影している。
主人公のあんずちゃんを演じるのは、『ボクたちはみんな⼤⼈になれなかった』『ほかげ』『シン・仮⾯ライダー』など数々の話題作に出演してきた森⼭未來。実写映画同様に動き話す森⼭未來の姿をベースにしつつ、アニメーションで表現されたあんずちゃんの愛らしくもリアルな姿に注目だ。
主人公・あんず…森⼭未來
寺の和尚に拾われ、大切に育てられた現在37歳の化け猫。⼈間の⾔葉を話し、⼈間のように暮らしている。原付で移動し、按摩のアルバイトをしている。
かりん…五藤希愛
哲也の11歳の娘。和尚とケンカした父に置き去りにされてしまい、あんずが世話をすることに。大人の前では猫をかぶっている。「母さんの命日に戻ってくるから」という哲也の言葉を信じて待ち続ける。
哲也…青木崇高
かりんの父。和尚との親子喧嘩の末ずっと行方知れずだった。
柚季…市川実和子
かりんの母。
おしょーさん/音楽…鈴木慶一
あんずちゃんの育ての親。雷の鳴る豪雨の中、段ボールの中で鳴いている子猫だったあんずを見つけ、大切に育てる。
貧乏神…水澤紳吾
閻魔大王…宇野祥平
監督は⼭下敦弘、久野遥⼦がWで担当。映画撮影そのままの撮影を敢行する“実写班”を『天然コケッコー』『カラオケ⾏こ︕』などを手掛けてきた⼭下敦弘が主に担い、映像や音声をもとに芝居から抽出するエッセンスを吟味し、アニメーションを構築する過程は、『映画クレヨンしんちゃんシリーズ』やTV アニメ『宝⽯の国』の久野遥⼦が中心となって担っている。
また、アニメーション制作は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』、映画『窓ぎわのトットちゃん』などを手掛けたスタジオ「シンエイ動画」と、新進気鋭のフランスのスタジオ「MIYU プロダクション」がタッグ。長編としては初めて、日仏合作でアニメーションを制作した。
なお、映画『化け猫あんずちゃん』は第77回カンヌ国際映画祭において作家性を重視した作品を選ぶ「監督週間」に選出。公式上映される。⽇本の⻑編アニメーション作品としては⾼畑勲の『かぐや姫の物語』、細⽥守の『未来のミライ』に続く6年ぶりの選出となる。
子猫の頃に寺の和尚に拾われ、大切に育てられた「あんず」は、おかしなことに10年・20年経っても死ななかった。30年たった頃に、いつしか⼈間の⾔葉を話すようになり、⼈間のように暮らす「化け猫」になっていた。そんなあんずちゃんの元へ、親⼦ゲンカの末ずっと⾏⽅知れずだった和尚さんの息⼦・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚とケンカし、彼⼥を置いて去ってしまう。
⼤⼈の前ではいつもとっても“いい⼦”のかりんちゃん。あんずちゃんはしぶしぶ⾯倒をみるのだが、どうも⼀筋縄ではいかない気配。一方、哲也の言葉を信じて待ち続けるかりんだが、一向に哲也が帰ってこない。母親の墓に手を合わせたいというささやかな望みさえ叶わないかりんは、あんずに「母さんに合わせて」とお願いをする。このたった一つの願いが、土俵際の逃走劇のはじまりだった。
作品詳細
映画『化け猫あんずちゃん』
公開日:2024年7⽉19日(金)
監督︓久野遥⼦、⼭下敦弘
脚本︓いまおかしんじ
〈キャスト(声・動き)〉
出演︓森⼭未來、五藤希愛、青木崇高、市川実和子、鈴木慶一、水澤紳吾、澤部渡、吉岡睦雄、宇野祥平
主題歌:佐藤千亜妃「またたび」
原作︓いましろたかし「化け猫あんずちゃん」(講談社 KC デラックス 刊)