ミュベール(MUVEIL)の2025年リゾートコレクションが発表された。テーマは“ロバと王女(Peau d’âne)”。
ジャック・ドゥミによるフランスのミュージカル映画『ロバと王女』を着想源としたミュベールの2025年リゾートコレクション。原作は、『シンデレラ』や『眠れる森の美女』『長靴をはいた猫』などを手掛けたフランスの詩人、シャルル・ペローによる童話『ロバの皮(Peau d’âne)』。親によって定められた運命に抗い、ロバの皮を身に纏って王国を脱出し、幸せを掴んだ王女の物語だ。
そんな『ロバと王女』のロマンティックでコミカルな世界観を再現した今季。王国の姫君、空や月、太陽の光を表すドレス、メルヘンの世界に欠かせない花々などを、オリジナルファブリックや気品あふれるパターンにシックに落とし込んでいく。
まずはじめに注目したいのは、ホワイトとブルーのクラシカルな印象を与えるラメジャカード生地のドレス。王女が暮らしていた、花開いた蔓植物が這う城をイメージしたオリジナルファブリックとなっている。フラワー部分に箔プリントを施しているので、光の当たり具合によって異なる煌めきを見せてくれる。
春めいたロマンティックなパープルカラーのツイードジャケットは、ハードなライダースジャケットがベース。セットアップで着用可能なスカートと共に、襟や袖などにフリンジを配し、ボリューム感をアップさせドレッシーな表情に仕上げた。
劇中で、父である国王との結婚を免れるために突き付けた無理難題のひとつ、「空の色をしたドレスを作ってほしい」という願い。国王はいとも容易く“空色ドレス”を作ってしまうのだが、その“空色ドレス”に着想を得たシアートップスがお目見え。たっぷりのフリルをフロントや袖、バックにぐるりと配し、ドレスの色合いやふんわりと広がるトレーン部分などを表現した。
メルヘンな雰囲気に包まれるコレクションの中で、どこかクールな雰囲気を放つコート。王女を演じた女優、カトリーヌ・ドヌーブがプライベートで着用していたコートに着想を得てデザインしたものだ。ショート丈のジャケット、ジレ、トレンチコートなど、4WAYで着用できるのが魅力。レオパード柄の襟が目を惹く、存在感のある1着となっている。
劇中に登場した猫やロバといった動物たちも、Tシャツやニットにあしらわれて登場。王国の富の源でもあった、宝石のフンをするロバをモチーフにインターシャ編みで仕上げたニット、ライオンのたてがみや尻尾まで立体的に表現した紋章モチーフのプルオーバーなどが展開される。