マリアーノ(MAGLIANO)の2025年春夏コレクションが発表された。
イタリア人作家カルロ・コッローディや、イタリアの詩人クリスティーナ・カンポー、イタリア人画家ジョルジョ・モランディに影響を受けた今季。カンポーが“寓話のように順調に物事が進むことはない”とするように、理想は理想のままで叶うことがないのかもしれない。今季のコレクションでは、イタリアの水上都市・ヴェネツィアにあるアスファルト上のマーケット広場や、夏の日々を感じさせるブランコといった理想の思い出を、幻想的に再解釈したウェアを提案する。
コレクション全体で、ビーチスタイルを着想源としたルックが散見される。好例となるのは、タオル地を使用しながら、フォーマルなイブニングウェアに転換したコート。加えて、水着をモチーフとした紐が際立つパンツと組み合わせることで、マリアーノが思い描く休日の雰囲気を体現していく。
また、ブランコの“ガタガタ”“ギコギコ”という擬音からもヒントを得た今季。様々な方向に向かって、もつれたりねじれたりするデザインを採用した。チェック柄が交差するシャツや、ゆらゆらと動くフレアパンツで、複雑に入り混じる情景を表現。さらに、直線的なデニムウェアも、ウエスト部分をさりげなく結びアシンメトリーなデザインに仕上げている。
メッセージ性の強いデザインにも注目。ホワイトのニットには、胸元にクロスステッチを用いた花柄デザインを取り入れた。このほかにも、“Magliano”ロゴと共に作家カルロ・コッローディが生み出したピノキオを描いたシャツや、動かない事物を主体的に描く静物画を得意とする画家ジョルジョ・モランディの作品を白黒でプリントしたシャツなどがラインナップする。