ボス(BOSS)の2025年春夏コレクションが、メンズ・ウィメンズ合同ショー形式でイタリア・ミラノにて発表された。
「Out of Office」をテーマに、ブランドを象徴するフォーマルなテーラリングを再解釈したボス。テーラリングを代表するアイテムのスーツなどを構造から解放し、より自由な自己表現を導くウェアが散見された。
例えば、メンズのテーラードジャケットは、力強い印象を持つテーラリング要素を解体し、柔らかさを表現した。つまり、袖が捲れるほど軽やかな生地を使用し、肩パッドを省き、リラックス感のあるフィッティングに仕上げているのだ。また、ガムソールを用いたスニーカーや柔らかなブリーフケースが、よりカジュアルな要素を加えている。
再考されたテーラリングは、シャツスタイルにも反映されている。フォーマルな色合いのシャツは、シングルポケットや、ドローストリング付きの裾、さらには胸元の前立てを表に出したデザインにより、ポロシャツのような柔らかな印象のシャツへと変化させた。
ウィメンズアイテムでは、パンツの裾丈が足首上に設定され、丈の長いドレスやコートに優雅なドレープを効かせるというアプローチが見られた。また、ラップチュニックドレスは、ガウンのようなドレープと低いネックライン、そしてシルク素材の質感が相まり、動きやすさと洗練された女性像の表現を両立させている。
ウェアだけでなく小物においても、フォーマルなアイテムにカジュアルな要素を付与したアイテムが散見された。折り畳み可能なショルダーバッグや、高めのヒールでありながら丸みを帯びたトゥーのシューズなどが登場。フォーマルなスタイルが分解され、よりカジュアルな要素とのバランスを取ったコレクションとなった。