アヴァヴァヴ(AVAVAV)の2025年春夏コレクションを紹介。
あえて転倒しながら突き進むモデルや、服をバラバラに分解する演出などユーモアあふれるショーで毎シーズン話題となるアヴァヴァヴ。そんなアヴァヴァヴの2025年春夏コレクションは、ミラノの歴史あるスポーツアリーナにて実施。「ハイファッションとローファッションの交差点」をテーマに、短距離走で世界記録を打ち破る挑戦を表現した今季は、トラックをランウェイに見立て、文字通り“ラン”ウェイショーを展開した。
モデルたちは、スタートを切るもあっという間に疲れ果て、数メートルで歩き出す者がいたり、携帯電話を取り出し会話し始める者がいたりと、レースとしては成り立たず。2024年夏、パリオリンピックが開催され世界中の人々が熱狂していたことを皮肉る演出となった。
今シーズンは、アディダス オリジナルス(adidas Originals)とのコラボレーションを発表するための場でもあった。ファーストルックからラストルックまで、その半数以上がコラボレーションによるウェアとなった。
そんなコラボレーションによるウェアは、いずれもインパクトのあるシルエットに仕上げている。たとえばアディダス オリジナルスのシグネチャーともいえる、スリーストライプスとトレフォイルロゴをあしらったジャージは、極端なまでに着丈を短く、タイトなシルエットに。一方で、スカートの裾部分を切り、フリンジのようなディテールを採用したワンピースも登場した。
随所にゴシック的要素を取り入れているのも今季のポイント。廃れてしまったゴシック様式の教会や城などを連想させる、ヴェールとドレスを纏い、どこか霊妙な空気感を纏う“花嫁”のようなモデルたちが、その雰囲気を助長させた。また、特にヨーロッパでは不吉だとされる数字の「13」を大胆にプリントしたシャツも登場し、コレクションにどことなく不穏で、それでいてアヴァヴァヴの美学ともいえる空気感を漂わせた。
フットウェアのコラボレーションも必見だ。アディダス オリジナルス定番のアーカイブスニーカー「スーパースター」を、アヴァヴァヴらしく大胆に解釈。シェルトゥ部分を4本指にアレンジし、ボリューミーな1足に仕上げた。そのほか、指型の切り込みが入ったキャップ、3本指のフットボールグローブ、さらにはスニーカーを連ねたようなハンドバッグも見られた。