オーラリー(AURALEE)の2025年春夏コレクションが、2024年6月18日(火)、フランスのパリにて発表された。
公園という、さまざまな人々が行き交う場──そこでは、集まっておしゃべりをしたり、遊びに興じたり、あるいはひとり、ゆっくりと過ごしたりすることもできるだろう。そして今季のオーラリーがテーマとしたが、緑豊かな公園を、さまざまな人々が行き交う様子であった。そこには、軽やかな洗練とリラクシングな雰囲気が心地よく流れている。
コレクションを構成するのが、ヴィンテージやプレッピーの要素を取り入れた、ベーシックなウェアの数々。柔らかなスエードや艶やかなレザーのブルゾン、ボンバージャケット、ハリントンジャケット、ウォッシュで豊かな表情に仕上げたデニムジャケットなど、いずれも気を衒うことなく、ボリュームのあるシルエットが抜け感のあるムードを漂わせている。
また、ささやかなディテールを通して、視線を上へと引き上げているということができるかもしれない。レザージャケットやデニムジャケット、ステンカラーコートなど、長めの丈感に設定したアウターは、襟をスエードで切り替えることでコントラストを。また、ロングコートにはケープをあしらったものも見受けられる。
シルエットに対する重心の置き方は、公園を行き交う人々の多様さを映しだすかのように、さまざまだ。アウターのボリューム感、随所にハーフパンツを取り入れたコーディネート、首周りのディテールなど、上方に重心を設定する例があれば、ウエストをすっきりと仕上げたワンピースやベアトップのオールインワン、ボクシーなテーラードスーツなどでは、すっきりとした縦のラインが引き立てられている。
素材は、公園で過ごす爽やかさを彷彿とさせるかのように、上品かつ軽快にまとめられている。たとえばテーラードジャケットでは、上品なシルエットはそのままに、薄く軽やかなファブリックを採用するとことで、テーラリングの重さを払拭。また、柔らかなカシミヤ、ウールのキャンバスといった繊細なファブリックに加えて、スエードやレザー、ウォッシュドデニムなど、ヴィンテージ感を想起させる素材も取り入れた。
カラーにも、穏やかさと爽やかさが交差している。上品なベージュやグレー、ブラウン、ブラックといったベーシックカラーを基調に、ライトブルーやライトグリーン、目の覚めるようなレッドなどが豊かな彩りをもたらすほか、ギンガムチェックも随所に採用している。