コーチ(COACH)の2024年冬コレクションが発表された。
今季、クリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァースが掲げるのは、1960年代のアメリカを中心に展開された“カウンターカルチャー”との融合。既存のハイカルチャーへの対抗心から生じた“カウンターカルチャー”のテイストを、ラグジュアリーなコードの中へと取り入れつつ、さらに現代的なアレンジを加えたコレクションを提案する。
コレクションの軸となるのが、多彩な柄・編み・レイヤードで展開されるカーディガンやセーターなどのニットウェア。そこに、ツイード生地やタフタ生地で仕立てるテーラードジャケット、フルレングスのスカートなど、品のあるアイテムを合わせる。一方、格子柄のショートパンツや粗野なデニムパンツを挿し込み、ハイカルチャーとカウンターカルチャーとを適切なバランスで混ぜ合わせた。
また、コレクションの大部分をゆとりのあるシルエットで構成。ニットウェアを中心としたトップスには、肩の位置を落としたり、袖を太めに設定したりと、リラックスした印象を漂わせた。さらに、裾が腿の位置に届くジャケットや、横方向にボリュームを持たせたロングスカートも、ルックに柔和な印象をプラスしてくれる。
暖色から寒色まで、制限のないカラーパレットは、開けた自由なムードを演出。アーガイル柄やボーダー柄、ドット柄と、豊かなカラーパレットとの組み合わせは、着想源となったカウンターカルチャーの賑わい・多様性を感じさせるポイントだ。その一方で、全体的に彩度を抑えたことによる、懐古的なヴィンテージ感にも注目したい。
そして、漫画キャラクター「ポパイ」がコーチのアイコンバッグ「タビー(Tabby)」を持つイラストをあしらったTシャツなど、趣向を凝らしたアイテムによってコレクションに遊び心を添える。そのほかにも、2024年秋コレクションでデビューした「タイムズ スクエア タビー(Times Square Tabby)」バッグ、“自由の女神”やニューヨークの街を思わせる“タクシー”をモチーフにしたチャームなどが登場した。